補足(28) | 善隣学生会館事件考 |
(最新見直し2007.3.10日)
(れんだいこのショートメッセージ) | |
「善隣学生会館事件」を知ったのは、猛獣文士さんの管理する 「善隣学生会館事件の真相を探る」、「善隣学生会館事件HPの掲示板 」によってであった。当初この事件がさほど重要性のあるものとは思われなかった。日中共産党の縄張り争いに纏わる内ゲバ事件であり、どうせ日共がその反動的体質を曝け出した事件であろうし、かといって毛沢東主義の文化大革命路線も全面的には支持し難しという点もあって、「どっちもどっち」程度の認識でそれ以上のものにはならなかった。 とあることから「善隣学生会館事件HPの掲示板」に投稿し始め、認識の精度を高める必要から「善隣学生会館事件の真相を探る」の資料を読み直してみた。気づいたことは、「善隣学生会館事件」は底流において途方も無く重要な事件であるということである。その重みを例えれば、徳川幕府瓦解の狼煙になったのが大塩平八郎の乱であったが、同様に「善隣学生会館事件」は日共の宮顕・不破系体制を崩壊せしめるに足る事件であると云えようか。 その後の事態がそのように進まなかったのは、国際情勢の複雑怪奇さによって中共指導部内に政変が発生し、「善隣学生会館事件」発生当時主流であった毛沢東路線が挫折せしめられたことに起因している。当時の親中共派の日中友好運動は、毛沢東路線に絶対の信頼を置いていた。その路線が崩壊し始めたことにより、日中友好運動にも当然波及することになった。関係者はなべてその混乱から生き延びることに忙しくなり、「善隣学生会館事件」を通じて判明した宮顕・不破系日共の反共性を指弾する運動が途絶えることになった、ように思われる。 その後の歴史経過は、「善隣学生会館事件」をますます風化させていった。この風潮に異議を申し立てするかのように、猛獣文士氏がインターネット上で「善隣学生会館事件」を立ち上げていた。長い間このサイトは目立たなかった。今れんだいこは、事件の貴重資料を網羅している「善隣学生会館事件の真相を探る」サイトに感謝している。細々とながら(失礼!)遣り取りを続けてこられた「善隣学生会館事件HPの掲示板 」にも感謝している。そういう意味では、猛獣文士さん、コスモポリタン氏のみならず一貫して日共側の見解で議論してこられた大阪の人さんにも感謝しない訳には行かない。 但し、「善隣学生会館事件」を当時のように毛沢東主義路線賛美の側から日共批判するのでは、屋上に屋を重ねるだけであろう。れんだいこ観点から再整理した「善隣学生会館事件」考を立ち上げてみたい。これが本サイトの眼目である。その観点は、「善隣学生会館事件」を「戦前共産党中央委員小畑氏のリンチ致死事件」に継ぐ貴重事件と観ること、及び前者は国内事件であるのに比して後者は国際的運動との絡みで発生している点でより影響が大きいと観ること、どちらも言い逃れの聞かない形で宮顕系日共の恥ずべき体質を満天下に晒している事件として観ること、凡そ以上の観点からの論を構築することにある。どこまでよく為しえるか判らないが出航する。 事件の推移の組み立ては、「戦前共産党中央委員小畑氏のリンチ致死事件」考同様に資料を参考にしながら宮顕側と反宮顕側の両見解を突き合せ、眼光紙背に徹して信頼に足りると思うものを選り出し「真実」を綴り合わせる手法に拠った。それを時系列でストーリー化させることにより判りやすくさせた。目下整理中であるが、分析責任は一人れんだいこが追うのは当然である。 補足すれば、1967.3月号の中国研究月報に掲載された「善隣学館闘争と我々の今後の闘い」文中で、善隣学館斗争を次のように位置付けている。
れんだいこは、『真の毛沢東思想の実践とは何か』、『「毛沢東思想の実践に反対か否か』のところを、『左派運動に在って、して良いことと悪いことがある。誰がしてはいけないことを平然と為し、為したことをウソで塗り固め、その後も害悪を流し続けているのか。これは日本革命闘争上由々しき問題である』と書き改めれば、何も云うことは無い。 2002.8.6日 れんだいこ拝 |
目次
研究1―1 | 日中友好協会の歩み | |
研究1―2 | 日中共産党の歴史的決裂考 | |
研究1―3 | 中共の文化大革命考 | |
研究1―3 | 【事件へ至るまでの歩み】 | |
研究2 | 【「1967.3.2日善隣学生会館事件」発生】(事件の概要) | |
研究3 | (れんだいこ私論.私観)「善隣学生会館事件」について | |
研究3―2 | 赤旗の無茶苦茶な記事捏造考 | |
研究3―3 | 中共・北京放送の事件報道の様子考 | |
研究4 | 【事件その後の経過】 | |
研究5 | 【「3.2日善隣闘争二周年」アッピール】 | |
研究6 | 【「華僑青年闘争委員会」と新左翼との蜜月及び決別経過】 | |
研究7 | 日共による反日中友好活動の記録について | |
研究8 | 日中両党関係正常化の合意について | |
研究8―2 | 「日共式公党間の内政不干渉論」考 | |
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(私論.私見)