何を為すべきか

 党組織と党の役割についてのレーニンの見解が体系的に展開されている。

 「労働者階級が、自分の力だけでは、組合主義的意識、即ち組合に団結し、雇主と闘争を行い、政府から労働者に必要なあれこれの法律の発布を勝ち取るなどのことが必要であるという確信しか作り上げえないことは、全ての国の歴史の立証するところであ。他方、社会主義の学説は、有産階級の教養ある代表者である知識人によって仕上げられた哲学、歴史学、経済学上の諸理論の中から成長してきたものである。近代の科学的社会主義の創始者であるマルクスとエンゲルス自身も、その社会的地位からすれば、ブルジョア知識人に属していた。ロシアでもそれと全く同様に、社会民主主義派の理論的学説は、労働運動の自然発生的成長とは全く独立に発生した」。

 「今ロシアにおいて必要なことは、この両者、つまり労働運動と社会主義理論を結合することであった。労働運動こそが革命の担い手となるべきものであったが、しかし、『革命理論無くしては、革命運動はあり得ない』からである」。

 ある意味で、ロシアのマルクス主義的知識人に対する痛烈な批判であった。経済主義に陥りつつ社会主義を教養主義的に説教するインテリに対して、革命的社会主義理論とそれを信奉する党の結成を指針させた。その中に、最も有能にして勇敢な労働者畑分子を加入させることを、「当面の切実な課題」と主張していた。

 「社会民主主義者の理想は、労働組合の書記になることではなくて、どこで行われたものであろうと、又どういう階層あるいは階級に関わるものであろうと、ありとあらゆる専横と圧制の現われに反応することができ、これら全ての現われを、警察の暴行と資本主義的搾取とについての一つの絵図にまとめ上げることができ、一つ一つの些事を利用して、自分の民主主義的要求を万人の前で描き出し、プロレタリアートの解放闘争の世界史的異議を万人に説明することのできる人民の護民官になることでなければならない」。

 組織論
 1、職業的革命的活動者による確固たる継続性を保った党組織及び指導能力の確立
 2、大衆へのアピール
 3、政治警察と闘争する技術と訓練の練磨
 4、運動体の質の向上と量の獲得。

 イギリスのフェビアン協会の指導者ウェッブ夫妻の「産業民主主義論」。「労働運動による青磁活動は、その活動の限界が狭いことを明確に認識しない限り、政治的に有効になりえない」との指摘を踏まえた。ウェッブ夫妻は、そのことによって漸進的、改良主義的な労働絵組合運動の発展を期したのに対し、レーニンは、革命組織が労働運動の「外から」社会主義的意識を注入しなければならない、とした。


 1904年にドイツ社会民主党の理論誌「ノイエ・ツァィト」に掲載されたローザ・ルクセムブルクの「何をなすべきか」批判。「ロシアの社会民主党は、事実上、労働者階級と結合されていない。それは、それ自身が労働者階級の運動である」。つまり彼女は、「レーニンの党は自らが労働者階級の運動であると僭称しているに過ぎない」ということであった。

 ロシアマルクス主義のの急進主義派レーニンは中央集権的党組織を要求したのに対し、ドイツ社会民主党の急進主義派ローザは、党主流の中央集権主義に反対していたという対比。




(私論.私見)