383 【類推と論証】論理学

 認識論、判断論で得た一般的知識より次のステップ類推論という領域へ向かう。いよいよ連文章の文意把握(推論と論証)に向かう。

 類推論は、推理律(sliding order)を使う。推理律とは、 「BよりAを好む」、「CよりBを好む」の二つが成り立てば、必ず「CよりAを好む」が成り立つという推理のことを云う。命題間の因果関係が重視され、命題の真偽が吟味される。

 その為に「妥当な推論とその論証」が問われる。推論規則と定理、演繹定理から仮説演繹法へ、背理法的推論、論証の基本的形式として演繹的論証と帰納的論証、条件的論証等々の手法がある。


【特命(直接)推理と複合(間接)推理】

 ある単数ないし複数の命題を前提として、そこから推論によって結論を導く仕方を扱う部分であって、アリストテレス『分析論前書』を端緒とする。一つの命題(前件)から別の結論(後件)を導く特命(直接)推理と、2つ(以上)の命題を前提(大前提および小前提)とする複合(間接)推理とに分類される。

 特命(直接)推理には、〈対当〉関係によるものに加えて、前件と質の異なる後件を導く〈換質〉(例えば「あるSはPである」から「あるSは非Pではない」を導く)、前件の主語と述語を入れ換えた内容の後件を導く〈換位〉(例えば「あるSはPである」から「あるPはSである」を導く)、および両者を併せ行う〈換質換位〉があり、4種の定言命題のそれぞれからは、どれほどの直接推理が可能かが形式的に論じられる。

 複合(間接)推理はいわゆる三段論法であって、ここでは形式的に可能な推理の種類を格と式に従って分類し、かつ正しい推理が備えているべき形式に関する法則が論じられる。アリストテレスおよび中世では、様相命題を前提とする推理も扱われていたが、近代の論理学教科書では、その部分は落とされることが多い。


【特称命題と全称命題】
 特称命題(ある特定のものについての判断)と全称命題(全てについての判断)

【方程式と恒等式】

 方程式は数式により解(根)を求める数式。通常、因数分解手法を用いる。

 恒等式は常に均しい数式、解き様が無い、証明を要することになる。


【線型因果関係(linear causality)と相互依存関係(mutual interaction)】

 

 


【帰納法(帰納的論証)と演繹法】
 【帰納法(帰納的論証)】

 「特称命題の前提から、全称命題の帰結を得る推論」を帰納法(帰納的論証)と云い、事物事象の科学的分析にはこの手法が使われる。帰納法から導き出される結論は多分真であろう、と推測できるということであり、結論が正しいと早合点させてはならない。それは何度も試され、条件設定環境を確認せねばならないからである。

 ベーコンが真理に到達するための方法として帰納法を主張したことが知られている。その際の帰納法とは、経験からいろんな事実を得て、そしてそれらに共通する一般的な法則を求めるという論理であった。当然、独断論の対極として主張され、経験をただ集めるだけの機械的な経験論をも排斥されていた。種々の物の見方の情報を集積した上で、ある一定の結論が推理されていく手法として帰納法が称揚された。ベーコンの場合、自身の考えを否定するような事例でも、あえて取り上げて検証していかなければならないという批判的精神によって支えられていた。

 「自然科学の実験は不完全帰納法である」と心得る必要がある。統計も同じ。これに対し、数学的帰納法は完全帰納法の上に成立している点が特徴である。
 【演繹法(演繹的推論)

 「全称命題の前提から、特称命題の帰結を得る推論」を演繹法(演繹的推論)と云い、例えば、宗教的命題等の場合これを検証することは不能であることから、この大前提から推論を起こし、結論を導き出すことがある。一般的に云って、演繹法は危険であるが、帰納法では解決し得ない問題が山積している事情に拠っている。演繹法の根拠がここにある。
 【「人間は死ぬ」という命題を基にした「帰納法」の場合】

小前提命題  ソクラテスも死んだ。プラトンも死んだ。アリストテレスも死んだ。
推 論命題  他の人も必ず死ぬ。
大前提命題  人は必ず死ぬ。

 小前提的な事実から出発し、推論へ繋げ、或る大前提に導く手法が帰納法である。丁度、演繹法とは逆の順序となっている。但し、論理学では、命題から導き出されるこうした推論の「真」か「偽」判定をせねばならない。

 【「人間は死ぬ」という命題を基にした「演繹的推論(演繹法)」の場合】

大前提命題 全ての人間は死ぬ。
小前提命題 ソクラテスは人間である。
推 論命題 ソクラテスは死ぬ。

 大前提的な公理から出発し、小前提へ繋げ、或る推論に導く手法が演繹的推論(演繹法)である。丁度、帰納法とは逆の順序となっている。但し、論理学では、命題から導き出されるこうした推論の「真」か「偽」判定をせねばならない。

 れんだいこの実践論理学では、帰納法と演繹法は双方が不断に交叉しながら適用されていることを踏まえる。何とならば、実践とは常にそういう状況で為されているからである。実際がそうであるので、これに依拠した論理学を構築せねばならない。

【二律背反】

【背理法(帰謬法きびゅうほう)】
 何かを前提とすると、結果として不合理なことが起る。従って、その前提は間違っている、という風に結論付けていく手法。その形式は、証明したいことをPとするとして、今仮に仮定として非Pを前提とする。しかし、仮定から導き出される立論PPがおかしいとなると、結論として非Pは偽故にPを妥当とするという論理構造となる。

【パラドックス】

 「サルタンと馬のパズル」の例

 あるサルタンは馬が好きだった。大臣が持っている7頭の駿馬に目をつけ、これを手に入れようと次のようなお触れを出した。
 第一条 アンダルシア産の馬を持っている者は、ただちに届け出ること。
 第二条 馬1頭あたり、百ディナールの税金を納めること。
 第三条 但し、5頭以上の馬の持ち主は馬5頭として届け出、5百ディナールを支払うこと。
 第四条 馬の頭数を、いつわって届け出てはならない。





(私論.私見)