たすけあい党規約の手引き

 (最新見直し2005.8.29日)

 (れんだいこのショートメッセージ) 
 以下、「たすけあい党規約」の規定の根拠を順に解説していくことにする。特に「日共新規約」との対照式で検証してみたいと思う。

 2005.9.29日 れんだいこ拝


【規約の意義について】
 レーニンは、1903年の「党規約にかんする報告」の中で、「規約の本質は、機能を分けることである」と定式化させている。レーニンがこの観点を革命後にも持ち合わせたかどうかという点で疑義があるが、とりあえず機関運営主義を指針させていたことを確認しておく。ところが、宮顕党中央時代には、「重層制」等と称して「機能を分けない」方向へ規約改正していった。三権分立の否定、機関運営主義の否定を専らとしたということになるが、これをどう理解すべきか。

 ちなみに、
1789.8.26日に発布された「フランス人権宣言」は、第16条で「権利の保障が確保されず、権力の分立が規定されないすべての社会は、憲法をもつものではない」としている。

規約前文の意義について

 たすけあい党規約は無論のこと、日共旧規約は、本文規定の前に「前文」を附している。その形式は日本国憲法の「前文」手法と同じで、意味するところは、各条項を貫く基本精神とでも云えるものを宣言していることにある。

 このたびの日共新規約は、この「前文」を大胆にも削除させた。果たして、不破党中央が云うように「全体に分かりやすくさせた」ことになったかどうか大いに疑問としたい。というか、右派系の憲法改正運動に対する「左」からの呼応以外のなにものであろう。

 たすけあい党は、前文に理念的な総則としての意味を持たせてこれを設け、綱領としている。


党の目的について
 たすけあい党規約では、 「たすけ愛党」の活動目的を、「働く人民大衆の生活利益を擁護する為に働く政党」としている。「働く人民大衆」の部分は、従来「労働者階級」と言い回しされてきた。れんだいこ規約では、従来式の階級概念に疑義があることと、もう少し幅広く位置付けたいとする観点から人民概念を採用した。

 従って、マルクス用語として継承されてきた「ブルジョアジー、プロレタリアート的階級概念」及び「資本主義的生産様式の止揚、並びに一切の階級対立と階級搾取の廃止」、「階級と私的所有のない新しい社会建設」、「社会主義社会−共産主義社会の実現」等々は意識的に記述を見合わせている。ということから、第一インターナショナル、第三インターナショナルの規約の前文に明記された「労働者階級の解放は、労働者階級自身の手でたたかいとられなければならない」も割愛している。

 留意すべきは、国民概念を導入していないことである。これは、 「たすけ愛党」の活動を国家主義的な囲い込みの中で為す必要がないとの判断による。

 れんだいこ規約では、この部分の記述は綱領として別にまとめることにする。これを簡略に記すとすれば、一例として仮にこうなる。(ブント.共産主義者同盟戦旗派の規約.『同志』7号(1995年10月1日号 戦旗社 から)

 「この目的の実現のために、帝国主義国、植民地・従属国、『労働者国家』の三ブロック階級闘争を結合させ、 世界革命の一環としての日本プロレタリア革命の勝利のためにたたかう。 われわれの当面の任務は、労働者人民を階級に形成することであり、たたかうアジア人民に連帯し、血債にかけて日本帝国主義と天皇制を打倒すること、すなわち日本におけるブルジョア支配を転覆することであり、 民族自決権の承認を原則として掲げたプロレタリア独裁−ソビエト共和国を樹立することである。このためわが同盟は、第一次共産主義者同盟以来の歴史を継承し、スターリン主義及びあらゆる類の社会民主主義指導部から自らを明確に区別し、それらとの非妥協的闘争をとおして新たな革命的労働者党を結成し、 新しいインターナショナルを全世界に組織するため努力する」。

党組織の性格について

 れんだいこ規約では、 「たすけ愛党」の組織の性格を、「これを党是として自覚する者たちにより組織された政党である。党は、自発的意志と自覚的規律でむすばれた日本の『たすけあい主義者』の闘う組織である」としている。これは字句通りの意味である。

 「たすけあい主義者」の概念を明確にする必要があるが、従来「共産主義者」として表現され、「人による人の搾取のない、実質的に平等で自律的自由な人間関係からなる共同共産社会」を共産主義の概念として、「その実現をめざす人たち」を共産主義者と規定してきたところである。

 ここでいう「たすけあい主義者」とは、その出藍(止揚)概念であり、「人の文化的まで含む最低限の生活が制度的に保障され、次に社会に機会均等が十分に保障され、人の諸能力と労働が正当に認められ報酬される、実質的に平等な社会を目指すためのたすけあい社会」をたすけあい主義の概念として、「その実現をめざす人たち」をたすけあい主義者と規定する。


【党是におけるマルクス主義の位置付けについて】

 れんだいこ規約では、「党は、マルクス、エンゲルス、レーニンらの学説と実践の経験を学ぶ。但し、これを教条として墨守するものではない。自主的創造的発展により我が国での適用を目指す。党は、この理論にもとづいて、世界の働く人民大衆と連帯し、社会の良質的進歩を促進し、その実践を期する」とある。これを解説する。

 まず、「マルクス、エンゲルス、レーニン」を明示したことについて。 「たすけ愛党」は、党是を目指す運動につき、「マルクス、エンゲルス、レーニン」の功を評価すべきとしていることによる。これについては再検証をしていく必要があるが、党活動の求心力の必要という観点において、「マルクス、エンゲルス、レーニンらの学説と実践の経験を学ぶ」とする。従来、「マルクス・レーニン主義を指導思想とし、自己の行動を導く理論的基礎とする」とされてきているところであるが、学ぶと云う段階における思想、理論的基礎とする。

 次に、「但し、これを教条として墨守するものではない。自主的創造的発展により我が国での適用を目指す」について。これは弁証法的観点からして当然とも云うべき規定である。訓古墨守主義、教条主義は「一定の範囲」でしか正当性を持ち得ない。但し、修正主義、変節歪曲主義もその弊害多く益するところがない。その意味で、常に時代に有効な「自主的創造的発展」こそが必要である。問題は、「自主的創造的発展」と云っては見ても、その判断は「理論によっては判定し難い」ことにある。大衆の支持の増大あるいは様々なデータによる「実践による検証」を通じて確認していく以外に方法がない。

 次に、「世界の働く人民大衆と連帯し」について。「たすけ愛党」は、党是を目指す運動につき、国際主義の立場に立ちことを宣言している。国際主義とは、「万国の労働者、被抑圧民族団結せよ!」の立場および被爆国日本として発信する反核・平和の国際連帯の精神を貫き、主権擁護、自主独立とする。

 次に、「社会の良質的進歩」について。「たすけ愛党」は、党是を目指す運動につき、文明又は社会の「進歩」はあると考える。この場合の「進歩」とは、社会構成員間の利害調整上のシステムの構築がより「合理化」することを指している。「良質的」とはその同義反復である。


【前衛概念について】
 たすけあい党規約では、階級概念には精査を要するという立場からその「前衛」としての用語も差し控えることにする。但し、運動全体の前衛と云う意味では差し支えないとしている。

【戦後憲法の位置付けについて】

 れんだいこ規約では、「党は、戦後制定された新憲法を擁護する。その成立過程はGHQ草案の押し付けであったが、その内容を吟味するのに史上例のない民主人権保障憲法となっている。平和愛好と国際協調精神を称揚しその率先垂範を誓っている。これは明治維新以来先の世界大戦での敗北まで我々の祖父母人民が血であがない獲得した民族の知恵と合致する。党は、この精神を擁護し継承する為改憲勢力と闘う」としている。これを解説する。

 この文節の意味は、党の国家の最高法規に対する態度を明示したことにある。憲法に対する態度の表明は、党派の第一の責務と判断することによっている。党は、大改正、部分改正、解釈改正、護憲等々の選択肢から護憲の立場を明確にしている。

 このことは、本規約も当然に新憲法の規定の拘束を受ける事を表明している。如何なる規約各条項も新憲法の規定に違背することは許されない。


【各国友好党間の相互関係について】

 れんだいこ規約では、各国友好党間の相互関係を、「内部問題相互検証、兄弟党の立場を堅持」と表記した。これは、これまでの国際共産主義運動内の「負の遺産」に対応させている。その一つは、「内部問題相互検証」とした。これは、「排外主義的な自主独立路線」の間違いを指摘している。「いわゆる自主独立路線」は、「内部問題相互不干渉」主義に立脚しているが、これは民族主義と排外主義の規定である。各国友好党間の運動は相互に関連しており、その経験を交流しあう事は必要責務である。問題は、「押し付け」にならぬよう友誼を尽くすことが肝心であろう。

 「兄弟党の立場」の明記も又これまでの国際共産主義運動内の「負の遺産」に対応させている。従来、ソ連共産党と中国共産党が国際共産主義運動内において二元的な指導党の役割を果たしてきた。その功罪は罪の方が多かったと反省し得る。そこで、指導主義、権威主義を排するという観点から「兄弟党の立場の堅持」と表記した。

 れんだいこ規約では、意識的に「一国型社会主義建設」と「世界革命型社会主義建設」の是非を問うていない。この問題の態度をめぐって党員を選別する必要がないする配慮によっている。


【左派運動の齟齬的潮流との関係付けについて】
 れんだいこ規約では、「党は、世界の社会主義、共産主義その他の革命運動のなかに立ち現れた指導主義、覇権主義を認めない。わが国の革命運動に事大主義的な思想と行動が立ち現れる場合には、それらとも闘う」としている。

 従来、「左」・右の日和見主義、現代修正主義規定も為されているが、いずれも概念規定とその判断が曖昧であり、党中央の恣意的な判断により指弾されてきた罪のほうが多いとして、敢えて削除している。

【「民主権限制」について】

 これは従来「民主集中制」という概念で云われてきたところの代替用語である。このたび、れんだいこが「創語」した。その理由は、「民主集中制」が、一向に「民主」の手続き要件を明らかにせぬまま「集中」の作法を押し付けてきた歴史を持ち、この用語の新解釈を為すよりもいっそのこと新語で説明したほうが有益と判断したことによる。 

 宮地氏は、「共産党問題、社会主義問題を考える」の「 なぜ民主集中制の擁護か擁護論のカラクリと放棄後の組織原理」で次のように述べている。

 「現在、民主主義的中央集権制という組織原則を維持しているのは、一定の政治的影響力をもつ政党でいえば、世界で6党のみである。社会主義国の中国、ベトナム、北朝鮮、キューバの4カ国共産党、労働党と、資本主義国の日本共産党、ポルトガル共産党である。1989年からの東欧革命とソ連崩壊で、10カ国の社会主義国が崩壊し、民主集中制も放棄された(ロシア共産党は不明)。ユーロコミュニズムの諸党もそれを続々と放棄した。1989年イタリア共産党、1991年スペイン共産党、1995年フランス共産党が放棄し、イギリス、オランダ、ベルギーの各共産党は解党し、または解党状態にある。これがなぜ日本で残っているのか。日本共産党内でも、民主集中制を放棄すべきという声がとみに高まっている中で、その公式擁護論を今一度検討する必要がある」。

 宮地氏曰く、概要党の現行「民主集中制論」は、「レーニン規約」、「スターリン規約」、「毛沢東規約」を模倣したものであると云う。いずれも「鉄の規律」に特徴がある。その源流は、「ロシア.ナロードニキの組織原理(1870,80年代)」にあると云う。以下「ナロードニキ規約」と云うことにする。ナロードニキは、ブランキらの組織と同じく、革命的テロルを公然と掲げていた陰謀的秘密結社であり、「ナロードニキ規約」の組織原理は、「徹底的な上意下達式中央集権制」に特徴があった。

 その内容とは、@.目的達成の為の厳しい軍事的組織規律。A.その為の組織への絶対的忠誠.服従。B.秘密保持義務、各級組織成員間の匿名性、水平的交通の排除。C.組織決定の絶対性と権利なき義務の実行、自己犠牲精神。D.厳格な入会資格と秘教的入会儀式。E.脱退権の欠如と裏切者への死刑。という特徴が見られ、これが社会主義運動の組織原理にそのまま取り込まれ下敷きにされたと云う。


 「レーニン規約」は、この「ロシア.ナロードニキの組織原理(1870,80年代)」を踏襲しつつ、一定の民主主義的措置「選挙制、報告制、内部討議制」を加え、「民主主義的(Democratic).中央集権制度(Centralism)」と称するものを採用した。確認すべきは、革命的テロルは暴力革命論に替えられており、任務遂行上の鉄の軍事規律は継承したことにある。この「民主主義的中央集権制」には4原則が貫かれていた。@.前衛党としての党内規律。A.武装蜂起部隊及び赤軍の軍事規律。B.一党独裁体制維持組織としての「赤色テロル規律」。C権力掌握後の国家運営規律。この絶対原則の上に、「選挙制、報告制、内部討議制」の必要がか弱く主張されていた。

 「スターリン規約」は、この「レーニン規約」にあった「選挙制、報告制、内部討議制」を形骸化させ、「中央集権制度」そのものの構築に向かっていくことになった。但し、表現はあくまで「民主主義的中央集権制」としてこれを主唱していた。その特徴は、@.党の各級機関での選挙制度の採用。A.党組織に対する指導機関の定期的報告制度の採用。B.党規律の厳格化、少数者の多数者への服従。C.党中央決定の無条件服従制度。つまり、民主主義的な要件が徹底的に窒息させられ、反対派には「銃殺と強制収容所送り」の暴力が鳴り物入りで行使されることになった。

 日本共産党は、党の結社以来、このような経過にある「民主主義的中央集権制」を、「スターリン規約」に沿って導入し、これに何ら違和感を覚えなかったことに悲劇が始っている。「第6回党大会」で制定された「1948年規約」では次のように定められている。

 「第7条、党の組織は民主主義的中央集権であって、それは次の通りである。@.党の指導機関の委員は、すべての党員の直接の選挙、あるいは党員の選んだ代表者によって選挙される。但し、選挙は会議で認めた適当な方法による。A.党の機関はその機関を選んだ党の組織に対して定期的に報告しなければならない。B.厳格な党の規律。少数の意見は多数の意見に従わなければならない。討論は自由であるが、いったん決まったことには直ちに従って決定の通りに実行しなければならない。C.上級機関の決定には下級機関は絶対に従わなければならない」。

 この「1948年規約」は徳田書記長時代のそれであるので以下「徳田規約」と言い換えることにする。「徳田規約」は、「スターリン規約」を基調としつつ、常に党内反対派が存在していた党内の情況を前提にして「(玉虫色ながらも)討論の自由」を明記していることに特徴が見られる。

 この規約は第7回党大会で定式化されている。第19回党大会までほぼ同一であり、第19回党大会規約を見ると次のように定式化されている。

 「第14条 党の組織原則は、民主主義的中央集権である。その内容は次の通りである。@.党の各級指導機関は、選挙によってつくられる。A.党の指導機関は、それを選出した党組織に対して、その活動を定期的に報告する。B.党の指導機関は、常に上下級組織と党員の意見や創意をくみあげ、その経験を研究、集約し、提起している問題をすみやかに処理する。C.党の下部組織は、その上級の指導機関に対し、その活動を定期的に報告すると共に、その意見を上級機関に反映する。D.党の決定は無条件に実行しなければならない。個人は組織に、少数は多数に、下級は上級に、全国の党組織は、党大会と中央委員会に従わなくてはならない。E.党の指導原則は、集団指導と個人責任制の結合である。重要な問題は、すべて集団で決定し、個人が分担した任務については、創意を発揮し、責任を果たす」。

 これを「宮本規約」と言い換えることができるが、「宮本規約」は、「徳田規約」をより精密に規定し直す裏で「党中央の敷いたレールからはみだしが許されない党中央集権制」に規約変えしていることが分かる。この下敷きとされていたのが中国共産党の「第8回党大会規約(1956年制定、毛沢東指導下)」であるとされている。以下これを「毛沢東規約」と言い換えることにする。「宮本規約」の目新しい条項は、「毛沢東規約」を導入したものであり、何れも集権化を強めていることに特徴が認められる。

 これを「宮本規約」と言い換えることができるが、「宮本規約」は、「徳田規約」をより精密に規定し直す裏で「党中央の敷いたレールからはみだしが許されない党中央集権制」に規約変えしていることが分かる。この下敷きとされていたのが中国共産党の「第8回党大会規約(1956年制定、毛沢東指導下)」であるとされている。以下これを「毛沢東規約」と言い換えることにする。「宮本規約」の目新しい条項は、「毛沢東規約」を導入したものであり、何れも集権化を強めていることに特徴が認められる。

 このたびの新規約の特徴は、「宮本規約」の精密化による複雑さから「分かりやすくした」ことにある。「5つの柱」にまとめ次のように定式化している。

 「第3条 党は、党員の自発的な意思によって結ばれた自由な結社であり、民主集中制を組織の原則とする。その基本は、次のとおりである。@.党の意思決定は、民主的な議論を尽くし、最終的には多数決で決める。A.決定されたことは、みんなでその実行にあたる。行動の統一は、国民に対する公党としての責任である。B.すべての指導機関は、選挙によってつくられる。C.党内に派閥.分派はつくらない。D.意見が違うことによって、組織的な排除を行ってはなにない」。

 これを「不破規約」と言い換えることにする。


【反対派の処遇、分派活動の公認について】

 ここは、れんだいこ規約のハイライト部分である。「党は、路線上の問題をめぐってあるいは個々の政策、方針に対しての留保ないし反対意見の存在を認める。反対意見を持つ者は、党内外に意見を表明し、その文書配布を含めた理論活動、次の党大会に向けての同一意見者のグループを横断的に形成し、機関紙.誌に見解を公表し、大会に議案を提出する権利が認められる。但し、党内反対派は、党中央執行部の権限を認め、その要請する具体的運動に対する撹乱行為は戒めねばならない。この基準を越す党内反対派は別党コースに向かわねばならない」とした。これを解析してみる。

 @.留保ないし反対意見の存在の容認について

 ここは従来の規約では、反対意見の存在は認められても、容認されていない。「党の決定は無条件に実行しなければならない。個人は組織に、少数は多数に、下級は上級に、全国の党組織は、党大会と中央委員会に従わなくてはならない」とされ、排斥傾向にあると云える。

 しかし、れんだいこ規約では、反対意見は正しい方針確立の為にむしろ必要であると是認している。もう一つ、「反対意見の容認又は非排斥」こそ近代民主主義の獲得した良質的地平であると認識し、これを積極敵に擁護するという作風に立脚している。

 れんだいこ規約では、「留保権」が認められている。この「留保権」は、党中央の見解に対する「留保権」のみならず行動指針に対する「留保権」まで認められている。従来、共産主義運動においてここまで認められることは珍しい。「反対意見の表明ないしは意見の保留を行なうことができ、討論の完全な自由が保障される」まではあるが、「党員は、上級機関の路線や方針に対し、決定の遂行段階において行動上の完全な統一が保障されなければならない」と規制されてきたところである。しかし、れんだいこ規約ではその際の、「留保権」も認めようとしている点で新時代を画期している。後述するが、「党内撹乱」のみが反対派党員の制限とされている。

 A.党内反対活動の容認
 
当然ながら、従来の規約では、党内反対活動は認められていない。「民主集中制」の如意棒は党内の一枚岩的整風を要請しており、問題外とされているところである。しかし、れんだいこ規約では、反対意見の容認のみならず、党内反対活動の是認まで歩を進めている。こうして、「分派禁止」の呪縛から解放させた。
 

 その理由は、@と同様に、正しい方針確立の為にむしろ必要であると是認していることと、「党内反対活動の容認又は非排斥」こそ近代民主主義の獲得した良質的地平であると認識し、これを積極敵に擁護するという作風に立脚している。従って、反対意見の党内外への意見表明、その文書配布、そうした理論活動、機関紙.誌への見解公表、その際の「原文のままの掲載、配布」、次の党大会に向けての同一意見者のグループを横断的に形成、大会に議案を提出する権利が認められることになる。 

 「次の党大会に向けての同一意見者のグループを横断的に形成」は考察を要する。反対意見及び反対派としての活動を組織系列においてのみ許容されるとしたらそれは画餅でしかない。そういう認識から、れんだいこ規約では、「組織横断的活動」をも許容している。

 B.党内反対派の撹乱行為の制約について

 これは@.Aを許容するれんだいこ規約にあっても厳守を要請するところの規定である。その理由は、結社は構成員の団結によってその意志がより強く貫徹されるからであり、その機能を無視する撹乱行為は保護されるに値しないからである。問題は、「撹乱行為」の判断を為しえる機関の設立が必要かと思われる。れんだいこ規約では「団結委員会」がこれを審査することにしている。従って、「この基準を越す党内反対派は別党コースに向かわねばならない」は理の流れというべきである。

 C.暴力の排除について

 れんだいこ規約では、「相互に暴力をもって問題の解決をはかってはならず、止むを得ず発生した行為については厳重に審査されねばならない」と暴力の徹底排除を明記している。これは共産主義運動内に胚胎した「負の遺産」に対する真摯な反省からもたらされている。


【党の任務と組織の拡大について】
 れんだいこ規約では、前段で「党は、以上の指針と組織に基づきわが国の社会変革事業達成のために先進的役割をはたすことを期す。党は、政策.方針をつくり、それを広く普及し、その実現のために闘い、その実践を総括して、党の政策と方針を更に検証し、発展させることを期せねばならない」とした。「わが国の社会変革事業達成のために先進的役割」と活動基盤を当該国家に措定していることには議論の余地があるが、当面「主権擁護、自主独立、国際主義の原則に基づく対等の立場での内部問題相互検証、兄弟党の立場を堅持し、世界の働く人民大衆の生活利益を擁護する運動、被抑圧民族の自立運動との統一戦線を志向する」と整合させている。

 後段の「党は、この社会変革事業を成功させる為、不断に党の質量を拡大強化し、大衆的前衛党の建設と、統一戦線の結集、発展のために奮闘する。とくに未来の担い手である青年の役割を重視し、青年・学生のあいだでの活動をつよめる」において、「大衆的前衛党」と明記しているところも一考を要するところである。「青年の役割を重視」も一考を要するところである。

【党員の団結と挙党一致任務について】

 れんだいこ規約では、「党員は、党機関の決定に対しては、決定に同意する者を核として相互に団結を求めて挙党一致に努力せねばならない。党員は、深く人民大衆のなかに入って活動し、その結びつきを広め、強めなくてはならない」とした。これは「反対派の処遇、分派活動の公認について」と整合的な理解を要するところである。 


【党員の同志愛について】

 れんだいこ規約では、「党は、この歴史的事業をなしとげるために、その活動の検証、欠陥と誤りの批判と自己批判、教訓化を作風とせねばならない。すべての党組織と党機関は、理論と実践の結合を求め、党員間の同志愛を育まねばならない。党員は、この作風に則り、言行を一致させ、創意をもって積極的に行動し、誠実に謙虚に忍耐づよく活動しなくてはならない。一人ひとりの党員のこの思想的政治的自覚こそ、「たすけ愛党」と党員のたたかう力の源泉である。党と党員は、この事業への貢献に自己の人生を結びつけようとする初心を生かし、発展させるようにしなければならない」とした。





(私論.私見)