法の番人の法治主義破壊考、ムネオの長期拘留に寄せて


 今眼前で進行している「ムネオの長期拘留」を直視せよ。2003.8.15日、日経新聞は、「宗男被告拘置異例の長期化」と題する記事を載せている。他のマスコミがさほど取り上げていないので希少価値情報と云える。これを以下検討する。

 ムネオ(衆議院議員・鈴木宗男)は、2002.6月逮捕され、7.10日東京地検特捜部により収賄罪で起訴された。その拘置期間が420日を超え、贈収賄事件としては収賄罪で起訴された国会議員の中で最長記録を更新中という異例の長期に及んでいる。公判は検察側の主な立証が近く終了する見通しで、今秋頃には保釈される可能性があるが、れんだいこは、この流れは国家権力自ら法治主義の原則を踏みにじっており、大いに指弾されねばならない、と考える。

 鈴木被告は、受託収賄、あっせん収賄、議員証言法違反(偽証)、政治資金規正法違反(虚偽記載)の四罪名で起訴されており、当人は全面否認で争っている。これまで鈴木被告側は3回保釈請求しているが、東京地裁は全て却下している。2003.8.15日日経新聞の該当記事文中で、「刑事訴訟法では起訴後に請求があれば、保釈を認めるのが原則で、罪証隠滅や関係者に圧力をかける恐れがある時などに限り保釈を認めていないと規定している」とある。

 にも拘わらず、司法当局はムネオを保釈しない。その理由として、同地裁は「証拠隠滅の恐れがある」と判断したと見られ、検察側も、「鈴木被告が『検事に脅された』という後援業者の虚偽の陳述書をもとに国会で逮捕許諾の不当性を主張したこともあり、保釈されれば関係者を畏怖させる恐れもある」としており、是認している。

 しかし、識者から、近年、国会議員の拘置期間が長期化する傾向にあることを踏まえ、「否認事件だからと云って長期間の拘置が続くと、公判中に刑を科しているのと変わらなくなる」との批判も出ている。渥美東洋・中央大学教授(刑事法)の弁として、「検察が捜査段階でしっかりした証拠や関係者の供述を得ていれば、被告が保釈されても証拠隠滅の影響は小さいはず。否認すると長期間拘置されるというのでは、被告に一方的に不利になりかねない」と指摘している、とある。



事件名 年度 被告 罪名 拘置日数 保釈日
ロッキード事件 1976年 田中角栄・元首相 受託収賄罪など 22日間 起訴の翌日
共和事件 1992年 阿部文男・元北海道・沖縄開発庁長官 受託収賄罪 24日間 起訴の3日後
ゼネコン汚職事件 1994年 中村喜四郎・元建設相 あっせん収賄罪 139日間 第2回公判後
自衛隊航空機開発汚職事件 1998年 中島洋次郎・元衆院議員 受託収賄罪など 88日間
KSD事件 2001年 村上正邦・元労相 受託収賄罪 163日間 初公判後
鈴木宗男事件 2002年 鈴木宗男・元北海道・沖縄開発庁長官 受託収賄罪など 422日間(2003.8.14日現在)




(私論.私見)

(7/10)鈴木議員を起訴・あっせん収賄罪で東京地検
  

 東京地検特捜部は10日午後、木材会社の行政処分を巡り現金500万円のわいろを受け取ったとして衆院議員、鈴木宗男容疑者(54)をあっせん収賄罪で起訴した。

 起訴状などによると、鈴木被告は内閣官房副長官に就任した直後の1998年8月、林野庁から無断伐採による7カ月間の入札参加資格停止処分を受けた有力後援企業の木材会社「やまりん」(北海道帯広市)の会長(86)らと面会。処分後に随意契約で事業を発注するなど行政処分の実効性を失わせるよう同庁への働きかけを依頼され、現金500万円のわいろをを受け取った。