第56部 | 1994(平成6)年当時の動き、主なできごと.事件年表 |
(最新見直し2006.2.12日)
1.1日、細川首相、年頭会見で首相私案「21世紀ビジョン」を発表。
1.1日、メキシコで先住民ゲリラが武装蜂起。
【丸山眞男批判】 | ||||||
1.1日号赤旗新春インタビュー、1.16日号赤旗日曜版で、東大政治学教授丸山眞男批判論文が掲載され、「丸山理論」への本格的批判キャンペーンが始まった。丸山氏は政治学研究の第一人者として著名であるが、戦前日本共産党の党活動が封殺された負の側面も含め真摯に総括することの必要性をコメントしていた。
続いて、「新しい理論的探究――丸山眞男の天皇制史観への反撃」で次のように総括した。
これに対し、宮地氏の批判は次の通り。
更に、「宮本氏の歪曲的規定の根拠となる丸山氏の文献は存在するのか」として、次のように反論している。
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1月、羽田孜副総理兼外相が訪中。
1.5日、参議院政治改革特別委員会で審議再開。
1.17日、米ロサンゼルスを中心にM6.6の大地震,死者は51人。
1.19日、与野党若手議員30名が超党派の勉強会「NEW−WIC議員フォーラム」(代表者・北川正恭)を結成。
1.20日、参議院政治改革特別委員会、政治改革関連4法案修正政府案を可決。1.21日、参議院本会議において、政治改革関連4法案修正政府案を否決(修正政府案を衆議院側に返付)
1.21日、民間政治臨調、細川首相他、与野党国会議員180名、1800名の一般参加者とともに「日本変革を決意する国民集会」開催(九段会館)。国民集会アピール「変革への決意」ダウンロード
1.21日、参議院否決を受け連立与党側、憲法59条第3項規定に基づき両院協議会の設置を要請。
1.26日、両院協議会設置(26、27日と2回開催も合意に至らず)。
1.27日、民間政治臨調、与野党国会議員170名とともに「政治改革の実現を誓い合う集い」開催。出席した細川首相は「政治改革の実現なしにはこれ以上の景気対策も行政・財政改革も不可能」とし、「政治改革が実現できなければ首相の地位にいささかもこだわるものではない」と発言、河野自民党総裁にトップ会談による決着を要請(ホテル・ニューオータニ)。
1.28日、土井たか子衆議院議長の斡旋で、細川首相、自民党・河野洋平総裁が会談。政治改革関連法案の修正について合意書を取 り交わし、深夜未明に合意成立に関する両者共同の記者会見。(細川首相、河野自民党総裁合意書 ダウンロード)
1.29日、3回両院協議会開催され、両院協議会成案成立。施行期日削除の上、衆参両院の本会議会において政治改革関連4法案の修正政府案(両院協議会成案)成立させる。
1.31日、第129回 国会(常会)召集。
2.3日、細川首相、未明の会見で国民福祉税構想。
2.10日、大谷忠雄衆議院議員(新生党離党)を所得税法違反と政治資金規正法違反で在宅起訴。
2月、日米首脳、包括協議で個別分野の交渉決裂。
2.12日、第17回冬季五輪大会がノルウェーのリレハンメルで開幕。
2月、鎔基副総理が訪日。日本に対中協力を拡大する「中国ブーム」が出現。
2.24日、連立与党と自民党の政治改革関連法修正協議で全検討項目合意。
2月、富士フィルム専務が総会屋対策にからんで刺殺される。
3.1日、衆議院政治改革に関する調査特別委員会、政治改革関連4法案の一部改正案を委員会提出法律案として提出し衆議院本会議で可決。3.4日、参議院本会議で政治改革関連法の修正法(小選挙区300・比例代表200・並立制・2票制・比例11ブロック制)が成立。
3月、細川護煕首相訪中、中日環境保護協定に調印。
3.11日、中村喜四郎前建設相(自民党離党)、ゼネコン汚職事件をめぐる斡旋収賄容疑で逮捕。3.15日、ゼネコン汚職事件(金丸脱税事件を契機に発覚した大手ゼネコンによる政界や地方自治体首長への公共事業を巡る収賄工作)で公正取引委員会に対し談合事件の刑事告発見送りを働きかけた中村喜四郎・前建設相(自民党を離党)をあっせん収賄容疑で起訴(懲役1年6月)。
3.18日、衆議院予算委員会、細川首相の1億円借り入れ問題で紛糾して審議入り遅れる。
3月、初の日米安全保障協議委員会(2プラス2)。
3.29日、小選挙区を主体とした新選挙制度で行われたイタリア総選挙は右派連合が大勝、フォルツァ・イタリアのベルルスコーニ党首が組閣へ。
4.4日、輸入血液製剤でエイズに感染した血友病患者ら、血友病専門医を告訴する。
4.5日、細川首相、会食で「もう疲れたから辞めたい」と辞意もらす。
4.6日、最高裁、箕面忠魂碑訴訟関係の司法修習生1人を7年ぶりに任官拒否する。
4.8日、細川首相が「法に触れる疑いのある資産運用があった」として突如辞任表明した。
4.9日、TC総会(日米欧三極委員会総会)が、東京虎ノ門のホテル・オークラで開催された。ディビッド・ロックフェラー、ピーター・ピーターンらTC首脳総勢230名が参加した。その動向をマスコミは報道しなかった。
4.18日、自民党離党の鹿野道彦らが「新党みらい」を結成。
4.20日、自民党離党の柿澤弘治らが「自由党」を結成。
4.25日、細川内閣 総辞職(在任日数は93年8月9日以来260日、戦後6番目の短命となった。本会議の首班指名選挙で羽田孜新生党党首が当選。
4.25日、新生・日本新・民社・自由・改革の会が会派「改新」を結成。4.26日、社会党が「改新」結成に反発し連立離脱。
4.26日、南アフリカで初の全人種参加の選挙,アフリカ民族会議のマンデラ議長が,南ア初の黒人大統領に(5.11)。
【羽田孜内閣成立】 |
4.28日、羽田孜内閣が成立(「改革と協調」)。細川首相の突然の辞意表明による混迷は、羽田政権誕生によりひとまず収拾した。 官房長官・熊谷弘。 |
5.4日、永野茂門法相が、南京大虐殺は「でっち上げ」と発言して辞任する。
5月、日米包括協議の客観基準で歩み寄り、再開へ。
5.6日、英仏海峡トンネル開通式典。
5.22日、社民連が解散し日本新党に合流。
5.26日、民間政治臨調「現下の政治情勢に関する緊急提言」。「現下の政治情勢に関する緊急提言」ダウンロード
6.3日、土井衆院議長、鯨岡副議長諮問の「国会改革に関する私的研究会」が「国会改革への一つの提言」を公表し、議院運営委員会に検討要請「国会改革への一つの提言」ダウンロード
6.14日、超党派議員有志(自民・社会・新生・公明・日本新・さきがけ・民社・自由・新党みらい)「政治改革推進宣言」署名運動・記者会見・世話人会
6.16日、超党派議員有志「政治改革推進宣言」発起人総会・署名結果申し入れ。6.21日、超党派議員有志「改革連合」発足総会開催(全日空ホテル)。6.23日、民間政治臨調「政治改革推進・決起集会」(東京プリンスホテル)「政治改革推進・決起集会」アピール ダウンロード
6月、北朝鮮、国際原子力機関(IAEA)脱退表明。
6.21日、1ドル100円突破。為替レート設定以来初。
6.23日、改正公職選挙法成立(参院選挙区改選数を4増4減)。
6.23日、羽田内閣不信任決議案(自民)提出。6.25日、羽田孜内閣総辞職。在任64日は戦後2番目の短命。
6.26日、改革連合「声明文」
6.27日、松本サリン事件。
【村山内閣成立】 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
6.29日、衆院本会議で首班指名選挙、決戦投票で村山富市(社会党)氏選出。村山が国会指名により、第81代 内閣総理大臣となる。 6.30日、村山富市内閣成立(「人にやさしい政治」)内閣成立。在任期間:1994年6月30日〜1995年8月8日。自民・社会・さきがけ三党連立政権。官房長官・五十嵐広三、河野洋平は外相、副総理。
1)閣僚が複数の役職兼任する場合などは主に本務とされる役職に閣僚氏名を表記し、 |
7.8日、日本人初の女性宇宙飛行士として向井千秋さんがスペース・シャトルに搭乗して宇宙に出発。
7.8日、北朝鮮、金日成主席(82歳)が心筋こうそくで急死。
7.18日、第130回 国会(臨時会)―7月22日まで、会期は5日間。
7月18日 | 第130回国会(臨時会)召集 |
7月、国連ルワンダ支援団の緊急増派を要請。
7.17日、木星への接近を続けていたシューメーカー・レビー第9すい星の破片が次々に衝突。
【「村山首相が社会党政策の大転換発言」】 |
7.20日、村山首相、衆院本会議で代表質問に答弁する中で、自衛隊と憲法の関係について、「専守防衛に徹し、自衛の為の最小必要限度の実力組織である自衛隊は憲法の求めるものであると認識する」と述べた。こうして自衛隊合憲を打ち出した。と日米安保体制についても「不可欠」と答弁し、日米安全保障体制を堅持する方針を改めて確認した。日の丸、君が代についても、「国旗、国歌であるとの認識は国民に定着しており、私も尊重したい」とも表明した。 |
7.28日、全日空、1995年度からアルバイトのスチュワーデスを導入すると発表。
7.30日、先の総選挙で過半数割れし野に下った自民党の新総裁選挙が行われ、河野洋平氏が総裁となった。自民党の国会議員と都道府県代表による無記名投票の結果、河野氏が208票、渡辺美智雄氏が159票。自民党史上、初めて総理でない総裁の誕生となった。
8月、防衛問題懇談会報告書が「多角的安全保障」を提言。
8月11日 | 衆議院議員選挙区画定審議会、衆議院議員の選挙区画定案を村山首相に勧告 |
8.30日、PKO自衛隊第一陣出発。
8.31日、アイルランド共和軍が英国に無条件,無期限の停戦を宣言。
旧社会党は結党以来、「自衛隊違憲」論を展開してきたが、94年6月、自民、社会、さきがけ3党の連立政権で村山富市委員長(当時)が首相に就任したことを契機に、同年9月の党大会で「自衛隊は憲法の枠内。日米安保条約は堅持する」と政策を転換。これが現在の党の基本方針になっている。
9.2日、関西国際空港開港。
9.14日、住友銀行名古屋支店長が自宅前で射殺。
9.30日、第131回 国会(臨時会)―12月9日まで、会期は71日間。
9月、リクルート事件藤波被告に無罪判決、検察側が控訴。
9月、台湾の除立徳行政院副院長が広島アジア大会出席のため訪日、中国が抗議。
9月30日 | 第131回国会(臨時会)召集 |
【下里赤旗記者査問、除名と作家森村誠一氏の日本共産党との絶縁事件】 |
党内反宮本派清掃第19弾。1994年10月、「日本の暗黒」赤旗連載の突然中止をめぐって下里赤旗記者他2名の査問、除名と作家森村誠一氏の日本共産党との絶縁が発生した。この時、担当常幹、赤旗編集局長と激論した結果が査問と統制処分であったと云う。下里氏は赤旗記者を解雇され。この経過を公表し除名処分になった。 |
10.13日、大江健三郎がノーベル賞受賞。
10月、米・朝が核開発疑惑解消を目指し、枠組み合意。
11.3日、読売新聞が憲法改正試案発表。
11月、栄毅仁国家副主席が訪日。
11.30日、東京高裁、非嫡出子の相続格差規定を再び違憲として平等相続を命ずる。
11月 2日 | 衆議院本会議、区割り法案、連座制強化のための公職選挙法の一部改正案、政党法人格付与法案を可決 |
11月 5日 | 公明党、党大会で分党方針決定 |
11月21日 | 参議院本会議、上記3法案可決、成立(11月25日公布) |
【第20回党大会】 | ||
1994年の第20回大会は、宮顕時代の見解の特に不都合と思える箇所を変更した。主要な改定箇所は次の通りである。綱領面で、61年綱領の従属国規定「わが国は、高度に発達した資本主義国でありながら、アメリカ帝国主義に半ば占領された事実上の従属国である」なる文言を削除し、「国土や軍事などの重要な部分をアメリカ帝国主義ににぎられた事実上の従属国である」と改定した。 同じく、従来の社会主義国規定「(1)・社会主義をめざす国ぐに、(2)・社会主義をめざす道にふみだした国ぐになる識別」を無意味として削除した。「社会主義国とは、抽象的な概念ではなく、14の“現存した(する)社会主義国”を指し示す歴史的現実的用語である」として単に確認するだけに訂正した更に、「冷戦は崩壊していないキャンペーン」を却下し、概要「冷戦も、抽象的な用語ではなく、第二次大戦末・終了後以来の『米ソ冷戦』という歴史的具体的概念であり、冷戦構造の一方のソ連が崩壊した以上、米ソ冷戦も消滅した」と訂正した。 更に、丸山真男批判大キャンペーンを抑制する立場へ転換した。これまで党中央は、丸山氏の内在的批判論に対して、「前衛」、「赤旗」、「党大会決定」、「改定綱領」、「日本共産党の七十年」等で13回も丸山批判を行い、過剰なまでの拒絶反応を示したが認識訂正した。 |
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筆坂秀世著「日本共産党」は、1994年の第20回大会での中央役員選出基準に於ける浜野忠夫常任幹部会委員(現副委員長)の次の発言を証言している。
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12.5日、公明党第34回大会、30年間の歴史に終止符を打ち正式に解党する。
12.10日、新進党結党。(新生・公明・日本新等 党首 海部俊樹 衆院178名 参院36名)。
(時期不明)
村山首相東南アジア四カ国歴訪。この時マレーシアのマハティール首相は、「日本が50年前の戦争について誤り続けるのは理解できない。将来に目を向け、もっとアジアの平和と安定に寄与すべきだ。日本の国連安保常任理事国入りを支持する」と外交メッセージしている。
12.12日、チェチェン共和国の首都グロズヌイにロシア軍が進攻。
12月、新生党、新党さきがけなどが新進党結成。
12月、日本政府は中国に対して40件のプロジェクトに使用する5800億円の円借款を1996〜98年度の3年間に供与することを決定。
12月、リクルート事件東京地裁で池田元議員に有罪判決⇒確定。
12.20日、日本テレビで安達裕実宛郵便物爆発。
12.28日、『三陸はるか沖地震』が北海道から北陸にかけて襲う(M 7.5)。
12月 5日 | 公明党が新進党参加の「公明新党」と残留の「公明」に分党 |
12月 8日 | 結成大会に向けた新進党党首選挙で海部俊樹氏を選出 |
12月 9日 | 日本新党解党 |
12月 9日 | 民社党解党 |
12月10日 | 「新進党」結成大会(新生、日本新、公明新、民主、自由、新党みらい、自民党離党者が合流) |
12月19日 | 近藤豊衆議院議員(日本新党離党)を所得税法違反と政治資金規正法違反で在宅起訴 |
12月21日 | 新進党参加を見送った柿澤弘治、大内啓吾らが「自由連合」を結成 |
12月25日 | 改正公職選挙法改正法施行(区割り法) |
12月25日 | 地方分権大綱閣議決定 |
12月27日 | 新進党、政権準備委員会「明日の内閣」発足 |
(私論.私見)