4489111 ユダヤ人とは

 (最新見直し2006.10.19日)

 (れんだいこのショートメッセージ)
 「ユダヤ教及びユダヤ人とは。そのユダヤ人を廻る諸問題」、これを一括して「ユダヤ人問題」とする。「ユダヤ人問題」は、中近東史、西欧史に通じていないと理解できない。問題の根深さは、東洋の一隅史でしか自己形成してこなかった日本人には理解できない。これが、2004年現在のれんだいこの到達点である。しかし知らねばならない。偏見無く赤裸々な史実観を持たねば、この先の航路を誤るであろうから。

 少し大上段に構えたが、「ユダヤ人問題」はそれに値する。その「ユダヤ人問題」に迫るためには、「ユダヤ教及びユダヤ人とは」から説き起こして行かねばならない。そして、ユダヤ教に迫るためには、旧約聖書その他諸律法を理解しておく必要がある。あぁそれをれんだいこが為すのは無理だ。私の残された人生にはそんなに時間が無い。かくて、人は皆漠然としか理解できないままに生を終えてしまうあぁ。

 2004.8.17日、2005.3.20日再編集 れんだいこ拝


【ユダヤ人のルーツとしてのカナン人考】
 ユースタス・マリンズ氏の著作「世界権力構造の秘密」(訳・天童三郎、解説・太田龍、日本文芸社、1995.12.25日初版)は、ユダヤ人のルーツとしてのカナン人について言及している。それによれば、いわゆるユダヤ人は、創世記上アダムからノアへ至り、ノアの息子ハムの息子カナンの子孫とのことである。なお、カナンは、創世記第9章の24ー27節で、概要「神に呪われ、カナンとその子孫全ては永遠に奴隷として生きるよう宣告された」とのことである。そのカナン族は紀元前12世紀にフェニキア人として知られるようになり、今日ではユダヤ人と云われているとのことである。

 カナンは、奴隷の地位に置かれていたようで、臨終の床に息子たちを呼び、「カナンの遺言」を遺した。タルムードに次のように書かれている。
 「カナンは息子たちに五つの事を要求した。1、互いに愛し合え。2、盗みを愛せ。3、邪淫を愛せ。4、自分の主人を憎め。5・決して真実を語るな」。

 「カナンの遺言」がカナン一族の原基を形成する。奴隷的隷属生活からの解放理論であるが、史上認められる悪魔主義(サタニズム)の端緒であり、このみ教えを忠実に守りつつ教義形成していった宗派が後のユダヤ人となる。この民族は歴史上、偽装、ごまかし、陰謀、暗殺、寄生、篭絡、乗っ取り、傀儡(かいらい)政治の達人となった。彼らは、政治に於いては平和よりも闘争を、協調よりも戦争をかき立て続けてきた。聖職に於いては聖なる御言葉を掲げながらもその裏で金貨崇拝をかきたててきた。故に、彼らは、共に住む他の民族から憎しみを買い、犯した罪に対する処罰から逃れるために、しばしば名前を変え、住みかを移した。

 カナン人はこの間「カナンの遺言」に更なる歴史的経験を蓄え、ユダヤ教なる祭政一致の宗教であり政治であり戦争であり経済であり文化であると云う独特の教義を形成していった。仮にこれを総称して「ユダヤ」と云う。この「ユダヤ」も実践的には穏健派と急進派と日和見派の三派からなる。世界を騒がすのは急進派であり、秘密結社を複数生み出し、彼らが相互に覇を競っている。

 最も注目されるべきはパリサイ派の動向であり、近代に至ってロスチャイルドがこれを指導し、「シオンの議定書」を採択し、これを基本テキストとしてその後更に諸内容を深めながらワンワールド的世界政府を構想画策し続けている。現代世界は、彼らに手玉に取られつつある。当然、その策謀が見抜かれ、抵抗勢力が生み出されつつある。

 2006.3.22日 れんだいこ拝

【歴史的ユダヤ人考「ユダヤ人とは?」】
 ユダヤ人とはどう定義されるのか。これが案外難しい。人種的なユダヤ人ルーツ論と更にその上に宗教的ユダヤ人論が被さっており、この両面からユダヤ人なるものが規定される、と受け取るべきであるように思われる。人種的なユダヤ人ルーツ論即ちネイチャーとしてのユダヤ人(Jude)」は母系主義を採用しており、ユダヤ人の母親から生まれたものにしてはじめてユダヤ人足りうる」としている。それによれば、ユダヤ人を父親として、非ユダヤ人の母親から生まれた者はユダヤ人ではないということになる。これが正統ユダヤ人の「血の取り決め」である。「正統ユダヤ人の純血主義」は殊のほか重視されていることが知られねばならない。

 但し、歴史的な意味でのユダヤ人は、ネイチャーとしてのユダヤ人だけではユダヤ人足り得ない。宗教的ユダヤ人論即ち「ユダヤ人足りうるには祖法とも云うべきユダヤ教信奉者であることを要する」ということになっている。「ユダヤ人にとって宗教とは、伝統、倫理、法律、社会制度をも含むものであって、彼らの本質から切り離すことのできないものである」と云われている。これが正統ユダヤ人の「宗旨の取り決め」である。しからば、ユダヤ教徒は何かということを詮索せねばならぬが、それは後で考察することにする。

 
イスラエル共和国における移民に関する法律「帰還法」は、この「宗旨の取り決め」に従い、「ユダヤ教徒を信奉する者はユダヤ人になることができる」としている。これを「改宗帰化ユダヤ人」とみなすことが出来る。それによると、仮に日本人でもユダヤ教徒に改宗すればユダヤ人になることができる。
つまり、生粋のユダヤ人は母系主義により厳格に規定されるが、ユダヤ教へ改宗した「改宗帰化ユダヤ人」なるものを受け入れる余地を残している。もっとも、実際にユダヤ教徒になるには聖書やヘブライ語を学ぶほか、ユダヤ教の宗教法に従って、ラビ(導師)の指導を受けながら、改宗の手続きを取っていくことになり、審査は非常に厳しい、という。

 ポーランドのユダヤ系住民・オスワルド・ルフェイセンの例を挙げる。彼はキリスト教徒に改宗しダニエル神父となっていた。その彼が1958年にイスラエルに渡り、イスラエル市民権を獲得しようとして「帰還法」の適用を求めた。「キリスト教徒神父ユダヤ人」をどう取り扱うべきか、イスラエルは騒然となった。「ユダヤ人はユダヤ教徒でなければならないのか」という問題が提起され、裁判で争われた。判決は、「ルフェイセンはユダヤ人ではない」というものだった。このことから、「ユダヤ人定義」にユダヤ教信奉が不可欠という政教一致原則を見て取ることが出来る。

 ユダヤ人の「血の取り決め」と「宗旨の取り決め」はそれほどに厳しいことを踏まえておく必要があろう。

 れんだいこの観るところ、1・人種的なユダヤ人論、2・習俗的なユダヤ人論、3・宗教的ユダヤ人論、4・社会生態的なユダヤ人論、5・歴史ルーツ的なユダヤ人論、6・帰化ユダヤ人論の六系から構成されているように思われる。よって、その各々からアプローチしてみたい。

 「1・人種的なユダヤ人論は次のようになる。
ネイチャーとしてのユダヤ人(Jude)は母系主義を採用しており、ユダヤ人の母親から生まれたものにしてはじめてユダヤ人足りうるとしている。それによれば、ユダヤ人を父親として、非ユダヤ人の母親から生まれた者はユダヤ人ではないということになる。ユダヤ人の純血主義は殊のほか重視されていることが知られねばならない。

 身体的特徴として、「ワシ鼻(鉤鼻)」が挙げられている。俗に、ユダヤ人は頭がいいと云われている。これはかなり確度が高く、ノーベル賞の半数以上がユダヤ系であるとか芸術家にユダヤ人が多いことで証明されている。

 「2・習俗的なユダヤ人論は次のようになる。「出エジプト」、モーゼは、「ユダヤの民の習俗的結合証明」として次の指示を与えている。1、男子は皆、割礼を受けねばならない。2、主の過越祭を祝わねばならない。3、割礼を受けた者のみが過越祭を祝うことが許される。4、ユダヤの民は、初めての子、家畜の初子等初めて胎を開くものはすべて、主にささげなければならない。5、カナン人の土地に導き入れられる。厳格な意味で、これがユダヤ人のアイデンティティーのように思われる。

 「3・宗教的ユダヤ人論は次のようになる。歴史的な意味でのユダヤ人は、ネイチャーとしてのユダヤ人だけではユダヤ人足り得ない。宗教的ユダヤ人論即ちユダヤ人足りうるには祖法とも云うべきユダヤ教信奉者であることを要するということになっている。「ユダヤ人にとって宗教とは、伝統、倫理、法律、社会制度をも含むものであって、彼らの本質から切り離すことのできないものである」と云われている。しからば、ユダヤ教徒は何かということを詮索せねばならぬが、それは後で考察することにする。

 「4・社会生態的なユダヤ人論は次のようになる。
「ユダヤ人について − その1」で概要次のように記されている。シェークスピアの「ヴェニスの商人」にユダヤ人シャイロックが登場する。そこではユダヤ人は、「ずる賢い高利貸=金融業=金持ち=庶民の敵」というイメージで捉えられている。チャールズ・ディケンズの「オリヴァー・ツイスト」には、フェイギンという醜悪で強欲なユダヤ人が登場する。これもシャイロック以来のイメージのユダヤ人として描かれている。デイヴィッド・リーン監督の映画で、名優アレック・ギネスがフェイギンを、わし鼻で黒い帽子をかぶって毒々しく演じている。


 「5・歴史ルーツ的なユダヤ人論は次のようになる。ルーツ的なユダヤ人の特徴が次のように云われている。ユダヤ人は、歴史的には「イスラエル民族の末裔」とみなされる。「イスラエル民族」とは、かってのイスラエル王国建国時代の「12支族で構成された連合集団」ということになる。そのうちの1支族である「ユダ族」を中心とした末裔が後に「ユダヤ人」と呼ばれるようになる。「ユダヤ人」という言葉は、紀元1世紀の歴史家フラビウス・ヨセフスによる造語だと言われている。

 「6・帰化ユダヤ人論は次のようになる。
イスラエル共和国における移民に関する法律「帰還法」は、「改宗ユダヤ人」の定義を次のようにしている。それによると、「ユダヤ教徒を信奉する者はユダヤ人になることができる」とあり、仮に日本人でもユダヤ教徒に改宗すればユダヤ人になることができる。つまり、生粋のユダヤ人は母系主義により厳格に規定されるが、ユダヤ教へ改宗したユダヤ人なるものの受け入れ余地を残している。もっとも、ユダヤ教徒になるには聖書やヘブライ語を学ぶほか、ユダヤ教の宗教法に従って、ラビ(導師)の指導を受けながら、改宗の手続きを取っていくことになり、審査は非常に厳しい、という。

【「ユダヤ人の人種的生業的特徴」考】

 人種的なユダヤ人の特徴は次のように云われている。習俗的なもので純血主義、身体的なもので「ワシ鼻(鉤鼻)」、その他俗に「ユダヤ人は頭がいい」と云われている。これはノーベル賞の半数以上がユダヤ系であるとか芸術家にユダヤ人が多いことで証明されている。但し、選民主義に依拠するほど賢いのかどうかとなると疑問であろう。

 社会的なユダヤ人の特徴が次のように云われている。「ユダヤ人について − その1」を参照する。

 シェークスピアの「ヴェニスの商人」に登場するシャイロックは、ユダヤ人を代表するイメージとして「ずる賢い高利貸=金融業=金持ち=庶民の敵」というイメージで捉えられている。チャールズ・ディケンズの「オリヴァー・ツイスト」には、フェイギンという醜悪で強欲なユダヤ人が登場する。これもシャイロック以来のイメージのユダヤ人として描かれている。デイヴィッド・リーン監督の映画で、名優アレック・ギネスがフェイギンを、わし鼻で黒い帽子をかぶって毒々しく演じている。

【「正統ユダヤ人のアイデンティティ」考】
 ルーツ的なユダヤ人の特徴が次のように云われている。ユダヤ人は、歴史的には「イスラエル民族の末裔」とみなされる。「イスラエル民族」とは、かってのイスラエル王国建国時代の「12支族で構成された連合集団」ということになる。そのうちの1支族である「ユダ族」を中心とした末裔が後に「ユダヤ人」と呼ばれるようになる。「ユダヤ人」という言葉は、紀元1世紀の歴史家フラビウス・ヨセフスによる造語だと言われている。

 モーゼの「出エジプト」には、ユダヤの民の習俗的結合証明として次の指示を与えている。
 男子は皆、割礼を受けねばならない。
 主の過越祭を祝わねばならない。
 割礼を受けた者のみが過越祭を祝うことが許される。
 ユダヤの民は、初めての子、家畜の初子等初めて胎を開くものはすべて、主にささげなければならない。
 カナン人の土地に導き入れられる。

 この指示を守る者を「モーセの民」と云うが、厳格な意味で、これが正統ユダヤ人のアイデンティティーのように思われる。

【「アシュケナジー・ユダヤとセファラディ・ユダヤ」考】

 今日のユダヤ人は、二系統から成立している。これは物議を呼んでいるところであるが次のように云われている。一口にユダヤ人と云っても実際には、ドイツ・ロシア等欧米系のアシュケナジー・ユダヤとスペイン・アラブ等東洋系(セム系)のセファラディ・ユダヤに分かれている。

 アシュケナジー系ユダヤ人とは、ドイツの地名にもなっているようにもとはアーリア系民族の名前で、ヨーロッパ中部から東部を地盤にするユダヤ人である。ヘブライ語にドイツ語を沢山取り入れたイディッシュ語を使っていた。歴史的には、9世紀の初めユダヤ教に国ごと改宗したタタール系民族で、南ロシアにハザール王国(英語で「Khazar」、ハザルとも記す。7世紀から10世紀、11世紀〜12世紀ごろにカスピ海から黒海沿岸にかけて存在した国)出身と云われている。

 (「パレスチナ問題を解くための歴史2、中世史篇」の「ハザール王国」の項で概述。アシュケナジー系ユダヤ人については、別サイト「アシュケナージユダヤ人考」で考察することにする。)

 セファラディー(セム)系ユダヤ人とは、スファラディとはもともと「スペイン」という意味で、パレスチナ地方からスペインに流れた集団を祖先としている。イベリア半島から地中海沿岸・北アフリカ・中東などを地盤とするユダヤ人のことを云う。言葉もヘブライ語にスペイン語をたくさん取り入れたラディノ語を使っていた。セファルディムは中世にスペインから追われ、主に北アフリカに移り住んだ。人種的特徴は、現地のアラブ人に近く、肌色も褐色が多い。本来のユダヤ人と云われている。

 セファラディにも、1世紀にローマ帝国によってパレスチナから追われたユダヤ人と、バビロン捕囚の時期からその地に住み着いた人たちを始めとしてそれ以前にすでに各地に散っていたユダヤ人たちがいる。その他、インド系ユダヤ人、エチオピア系ユダヤ人などが世界中に分散しており、現在イスラエルに集まってきている。

 
旧約聖書に登場するユダヤ人は黒髪・黒目で肌の浅黒い人々であった。モーセやダビデ、ソロモン、そしてイエスもみな非白人の黄色人種だったと記述されている。してみれば、セファラディ・ユダヤがその系譜をひいていることになる。

 現イスラエルにはアシュケナジー・ユダヤとセファラディ・ユダヤの双方が住み着いているが、その関係は必ずしも円満ではない。イスラエルを作ったのはアシュケナジー・ユダヤであり、そういう関係でイスラエルを支配している。これを思えば、「anti-Semitismを日本語で「反ユダヤ主義」と訳すのは粗雑であり問題がある。

 木村愛二氏は次のように述べている。

 比較言語学によって得られた最近の成果は、さらに説得的である。この方法で民族の歴史が解明された有名なものには、ジプシーのインド起源説の例があるが、アシュケナジムのイディッシュ語の起源も、見事に解明された。将来展望としては、遺伝子のDNA比較などの最新技術も駆使されるであろう。歴史はいまや立派な科学なのである。


【ユダヤ教】ユダヤ教「★阿修羅♪プロトコールの『ユダヤ教パリサイ派』」その他参照)

 ユダヤ教を定義して、ユダヤ人長老のモーゼス・メンデルスゾーンが次のように述べている。
 「ユダヤ教は宗教ではなく、宗教化された法である」。

 この定義の意味は深く、ユダヤ教の何たるかを的確に表現している。「ユダヤ教は宗教であるという誤った観念を是正するのに有効である」。つまり、ユダヤ教とは、「単なるいわゆる宗教ではない」。

 ユダヤ教は、旧約聖書の神ヤハウェを信仰する一神教で、その信奉者でもってユダヤ人足りうるとしており、典型的な政教一致民族宗教となっている。そのユダヤ教徒も正統派、保守派、改革派の三派に分かれる。旧約聖書とはキリスト教からそう云われるもので、ユダヤ教においては聖典と扱われており、ヘブライ語で書かれている。「創世記、出エジプト記、レビ記、民数記、申命記」の五書を「律法(トーラー)」又は「モーセ五書」と呼び特に神聖視している。それらの書に於ける記述は神が啓示したものであり、「神がユダヤの民に与えた民族が生き抜くための奥義」と信じられている。

 
「律法(トーラー)」は、倫理的社会的儀礼的な規定を通して慈愛と畏怖溢れる神の意思を伝えている。トーラーは、法律集と云うに止まらず、一言一句が神との契約であり、厳守されるべきものである。ちなみに、モーゼは、律法を神自身から受け取ったとされている。

 ユダヤ教の信仰によれば「律法(トーラー)」の他にも、シナイでモーセが神から授けられた律法のうち成文化されず口頭で伝えられてものも存在する。「口伝律法」と云われるが、200年頃に結集されて「ミシュナ」と呼ばれている。これは6篇63書から成り、内容は主に成文律法に関連させて日常生活の規範を説明し、細則を生み出し、かつ時代状況の変化に即応した判断をも指針させている。このミシュナ本文はその後パレスチナとバビロニア両地域の律法学者の研究対象となって膨大な注釈が生み出され、ミシュナと注釈(ゲマラ)とをあわせて「タルムード」と云われている。これは思想や信仰に関することはもちろん、ユダヤ人の日常生活全般にわたる規範と指針を示していることと、ミシュナそのものが神的権威をもつと信じられていることから、聖典ではないが聖書に次ぐ位置づけをもっている。

 従って、ユダヤ教は、旧約聖書と、それと同じく何世代にもわたる口承の記録、総称タルムードという古代の解説書を根本教典にしていることになる。この書物全巻は、1306年、フランス国王の公正王フィリップ五世の命令で焚書にあったが、全滅から逃れた書冊があった。これがいわば原書となって今日に伝えられている。

 ユダヤ教の教義的特質は、天地の創造者である唯一神とユダヤ人との契約性にある。「わたしはヤハウェである。わたしのほかに神はない。ひとりもない」(イザヤ書45ー5)にある如く、唯一絶対神を信奉している。その唯一神ヤハウェが、数ある民族のなかから特にユダヤの民を選民し、ヤハウェがユダヤの神となるとともにユダヤ民族がヤハウェの聖なる民となったとしている。ユダヤの民は、「聖なる民」にふさわしく神の「声に聞き従い、その契約を厳格に守る」(出エジプト記19ー5)ことが義務付けられている。

 ユダヤ教の教義的特質は、文化的民族的危機の時代に現れた預言者の言を律法に準じて信奉するところにも認められる。民族の歴史の中で生起した出来事を教訓化する手法に於いて、ユダヤの民とその信奉されるユダヤ教の関係は他の民族に無い独特の仕組みとなっている。ユダヤ人としてのアイデンティティの確立に執心しており、「安息日、割礼、シナゴーグ」の伝統を育んでいる。
 ユダヤ教の神学的位置づけをしておかねばならない。れんだいこは、次のような評を合点している。
 ユダヤの神は、キリスト教的全人類の父神、理想の愛神、正義や哀れみの神ではない。ゾロアスター教のアフラマスダでもヒンドゥー教のブラフマンに類するものでもない。全く逆に、この神は彼の民に対してのみ正義であり慈悲深いが、その他すべての民の人間の権利を否定し、イスラエルこそが富者にふさわしく支配に値し、その他の民は奴隷になれと命じる仇敵であり、曾孫や玄孫の代にいたるまで復讐する神となっている。はっきり云えば、サタニズム神である。

 そのことを物語る文書は次の通りである。
 「主はあなたの意のままにあしらわせ、あなたがかれらを撃つときは、彼らを必ず滅ぼし尽くさねばならない。彼らと協定を結んではならず、彼らを憐れんではならない」(申命記、七章二)。「あなたは、あなたの神、主の聖なる民である。あなたの神、主は地の面にいるすべての民の中からあなたを選び、御自分の宝の民とされた」(申命記、七章六)。タルムードの同様記述に就いては「タルムード考」に記した。
 「あなたは、あなたの神、主の聖なる民である。あなたの神、主は地の面にいるすべての民の中からあなたを選び、御自分の宝の民とされた」(申命記、七章六)。

 タルムードにも同様記述が満載されている。これについては、「タルムード考」で考察する。

【ユダヤ教に於ける黒魔術】
 「ユダヤ教の形成過程」を概略しておく。「メンフィスの僧侶の高位の秘義」。モーゼは、エジプトの高位秘義伝授者の間で修業を積み、後に、黒人が行う魔術儀式であり祭儀の由来となっているブードゥー教の父と呼ばれることもある、エチオピアの黒人魔術師ジェトロの弟子かつ養子となっている。

 高位秘義者の奥義伝授についてはカバラに記されている。そこには神降ろし、超自然力に働きかける呪文の使い方、数秘術、占星術その他神秘的な諸術が入っている。 カバリストは幾星霜にもわたってその秘術を使い、非ユダヤ人の上流社会にも大衆にもユダヤ人の優越性を見せつけている。君主も法王も、一人かそこいらのユダヤ人を占星術師か相談相手として雇うのが常だったし、内科医としてユダヤ人を抱え入れ生命を委ねることもしばしばであった。ユダヤ人が非ユダヤ人の国々で、経済力と平行して政治的な力もつけるようになり、ユダヤの宮廷銀行家が生まれ、政府の公債や税金を意のままに操るようになった。そういう歴史的経緯がある。

【ユダヤ教がキリスト教を排撃した理由考】
 ユダヤ教がキリスト教を排撃した理由を次のように考えることが出来る。最大の理由は、イエスの教説が、ユダヤの選民主義を攻撃し、異国の民に対する憎悪を説いていたのに対し、神の前ではすべての人間が平等であり兄弟とすべしと逆思想を説いていた為であろう。その教えによれば、ユダヤが世界の主人になるという特権的な地位が否定される。同時に、イエスが唱えた道徳及び倫理観念は、生存闘争の場で認められていたユダヤのエゴイスティックな得手勝手論理論法を否定していたことに認められる。それはユダヤの二重基準を責めていた。こうしたところに、真因を観るべきではなかろうか。

 しかし、事態は単純ではない。ユダヤの民がもしイエスの論理を受け入れれば、民族のアイデンティティが溶解する恐れを抱いていたことが推定される。それは杞憂ではない。歴史にはこの辺りの難しさがある。然しながら、サタニズムに冒されたユダヤ主義を解体せずんば人類の平和が訪れない。そういう意味で、歴史のリアリズムに裏打ちされた本当の叡智を創造する必要があるように思われる。

 2005.3.21日 れんだいこ拝

 「訳者からの注釈:シオニスト、そしてアシュケナジとセファラディについて」は次のように述べている。

 シオニストは徹底した残虐さと貪欲さを兼ね備えた、まさに人非人どもであり、徹底した嘘つきたちです。彼らの言動のすべては嘘と残虐さに貫かれており、一点たりとも耳を貸してはならないでしょう。欧州人は腹の底では大概がこのことを知っています。表に出すとひどい目にあわせられることが分かるために、普通は何も言わないだけです。

 「ユダヤ人差別」どころか、ユダヤ人(シオニスト)こそがヨーロッパ人を差別し抑圧しているのです。私はこの点を特に強調しておきます。無知なくせに根っから人の好い日本人が、何も知らずに彼らの言葉に、ほんのわずかでも耳を貸すことを、私は非常に心配しています。まして喜んで「差別されるユダヤ人の味方」ヅラをする一部の日本人を、私は本心から、心の底から軽蔑しています。

 もちろん、前回に投稿しました『ホロコーストにおけるシオニズムの役割』という文章の中で、シオニズムに反対したユダヤ人として紹介されているジョエル・テイテルバウム(Joel Teitelbaum)大ラビはハンガリーの出身ですから、アシュケナジに反シオニストがいることは明らかですし、いろんな写真を見てもシオニズムに反対するユダヤ人たちの顔はやはり白人系のアシュケナジが多いように見えます。ただしこの運動の中でのアシュケナジとセファラディの関係は不明です。

 私はサッカーの欧州杯やワールドカップ予選などでイスラエルのサッカー選手を見る機会があるのですが、明らかにアラブ系(セム人)の顔をしています。サッカーは基本的に下層階級のスポーツであり、彼らがイスラエルのカーストの下層にいるセファラディであることははっきりしています。(ただし、例のロスチャイルド家はセファラディのようですが。)

 ただ、セファラディにしても次のことは明らかです。欧州のキリスト教諸国でのユダヤ人迫害の原因には、ローマ教会の反ユダヤ主義もあったのですが、それ以上に、彼らが経済力を武器にして各国の支配階級と結びついていたことが、貧しい下層庶民の反感を呼んだ、という面を強く持っているのです。この点については冷静に判断すべきでしょう。






(私論.私見)



 ●また、プレズビテリアンの 「旧約聖書学」教授オーバイド・セラーも、このことを次のように結論づけている。

「現代のパレスチナにあるユダヤ国家は、聖書や聖書預言によって正当化されるものであるというZionistたちの主張を支持するものは、『旧約聖書』にも『新約聖書』にもないということに私とともに研究している者たち全てが同意している。更に聖書預言という“約束”は、ユダヤ人やZionistだけではなく全人類に適用されるべきものである! “勝利”“救い”という言葉は本当の聖書の意味としては宗教的・霊的なものであって、政治的な敵を征服するとか崩壊させるとかいう意味のものではない。」

「『新約聖書』を信じるキリスト教徒であるならば、もともとそこに住んでいた人々から政治的、また軍事的力によって奪い取ってつくった現代のイスラエル共和国を、キリスト教徒の信仰の神の“イスラエル”と混同させてはならない。これら二つのイスラエルというものは完全に対立しているものなのである。」


●厳格な反シオニズムで超正統派ユダヤ教徒グループ「ナトレイ・カルタ」の指導者であるラビ・モシェ・ヒルシュは、1992年に以下のような声明を発表した。ちなみに彼は自らを“パレスチナ人”と呼んでいる。アシュケナジー系ユダヤ人なのであるが、パレスチナ人と同じ心を持っているという意味なのである。

 「敵であるZionistと私たちの戦いは、妥協の余地のない、まさに “神学戦争”なのである。」

 「ユダヤ人たちが全世界に追放されたのは、神の意志によるのであって、彼らが神の律法を守らなかったためである。あらゆる苦難をへて、メシア(救世主)が到来するまでそれは続く。メシア到来によってのみそれが終わるのである。それゆえに、Zionistあるいはその関係機関が神を無視して世界中からユダヤ人たちに帰ってくるように強要するのは、ユダヤ人たちをいよいよ危険に陥れる“不敬の罪”を犯していることになる。」

 「もしZionistが神を無視し続けるならば事は重大である。ここ、すなわちイスラエルは地上で最も危険な場所となろう。」 


●ところで、ジオニストのシンパはアメリカに大勢いる。

 世界中のユダヤ人の人口は約1350万人で、そのうちの約半分の580万人ものユダヤ人がアメリカに居住しているわけだが、この数は皮肉にもイスラエル共和国のユダヤ人口(460万人)を大きく上回っている。そもそもアメリカのユダヤ人たちは、1948年から1952年までのイスラエル建国にとって最も大切な時期に、わずか4000人しか移住しないという、これまた一般人には理解しがたい歴史を刻んでいる。

 ジオニスト団体の中で最も強力に組織されているのが「アメリカ・イスラエル広報委員会(AIPAC)」という親イスラエルの圧力団体である。AIPACは「アメリカ・ジオニスト評議会」を母体として1953年に創設されたものだが、政府や議会の多くの要人たちと常に連携して、アメリカの政策をイスラエルの利益と合致させるように努めている。このため、アメリカ外交全体に与える影響力は無視できないものがある。

 AIPACは“ワシントン最強のロビー”として有名であるが、議員の言動に少しでもイスラエルに批判的なところがあれば、容赦なく「反ユダヤ主義者」と決めつけ、その人物の政治生命さえ危うくしてしまう。「反ユダヤ主義者」呼ばわりされることは、ヒトラーと同類と見なされるから、アメリカでは致命的である。 


●AIPACはユダヤ人・非ユダヤ人からカンパを募り、イスラエルに送金したり、アメリカの政治家に献金したりする仕事も行なっている。ちなみに、アメリカにおいてイスラエルを援助するための献金には一切税金をかけてはならないと法律で定められているが、パレスチナ難民に献金しようものなら、たちまち税金がかけられてしまう。

 また、アメリカ政府は世界最大の借金国となった今でも、アメリカ国民の税金を使ってイスラエル共和国に毎年30億ドル以上の無償援助を続けている。


 1996年初頭のアメリカ大統領予備選において、ブキャナン候補は「今、アメリカは自分の国のことで手が一杯である。アメリカ国民の税金はアメリカ人の幸せに使われるべきであり、イスラエルへの無償援助は削減すべきだ」と主張した。するとたちまち世界中の親イスラエル団体は「反ユダヤ主義者」「過激な人種差別主義者」「ヒトラーの再生!」と非難合唱した。


 ちなみに、ロシアからパレスチナに移住して来たゴルダ・メイアという女性は第5代イスラエル首相になった時、次のように言ったといわれている。「我々ユダヤ人は、ほとんどが無神論者であることをお互いよく知っている。しかしアメリカやイギリスから多くの援助を得なければならない。ゆえに我々は信仰を持っているふりをしなければならない。」


  『新約聖書』の預言には次のような一文がある。これは高慢なジオニストたちのことを指摘しているのであろうか?
「ユダヤ人だと自称しているが、実はそうでなく、かえってサタンの会衆である人たち……」(「ヨハネの黙示録」第2章 )


●さて、1992年8月20日付の朝日新聞夕刊は、アシュケナジー系ユダヤ人の由来まで踏み込まなかったものの、以下のような驚くべきニュースを報じている。「6世紀から11世紀にかけてカスピ海と黒海にまたがるハザールというトルコ系の遊牧民帝国があった。9世紀ごろ支配階級がユダヤ教に改宗、ユダヤ人以外のユダヤ帝国という世界史上まれな例としてロシアや欧米では研究されて来た。 (中略) この7月、報道写真家の広河隆一氏がロシアの考古学者と共同で一週間の発掘調査をし、カスピ海の小島から首都イティルの可能性が高い防壁や古墳群を発見した……」 ボルガ川はかつて“イティル川”と呼ばれ、カスピ海は今でもアラビア語やペルシア語で“ハザールの海”と呼ばれている。この地に残る巨大帝国の遺跡群は、ジオニストたちに「おまえたちの故郷はパレスチナ地方ではなく、カスピ海沿岸のステップ草原である」ということを訴えているようだが……


ユダヤ問題特集
 
(全10章まとめて掲載)
第1章
はじめに
(最初に読んでね)
第2章
世界史のタブーである
東洋系ユダヤ人と白人系ユダヤ人のルーツ
96/7/01投稿
第3章
世界史最大の謎の1つ
失われたイスラエル10支族の謎とは?
96/7/01投稿
第4章
イエス登場を境に大分裂してしまった
イスラエル2支族
96/7/02投稿
第5章
世界の嫌われ者になった
ユダヤ人の苦難
96/7/02投稿
第6章
ユダヤ人の世界的解放と
ユダヤ民族主義(シオン主義)の台頭
96/7/02投稿
第7章
現在も続くシオニストたちの
反セム主義活動
96/7/06投稿
第8章
栄華を極める世界最大最強の
ロスチャイルド財閥
96/7/11投稿
第9章
イスラエル共和国建国の背後にひそむ
十字軍の亡霊
96/8/12投稿
第10章
ユダヤ教徒の世紀末メシア待望運動と
失われた10支族探し
96/7/01投稿
 

 そもそも初期のジオニストたちの間では、新国家をどこに建国するかで、もめていたのです! 

 また、イギリスのユダヤ人作家イスラエル・ザングウィルは、テキサス州とオクラホマ州の一部の土地を購入して「ユダヤ州」を作ろうという提案をしていました。

 なお、ユダヤ長老議会で正式に不採用となったヘルツルの「マダガスカル移住案」は、その後、ポーランド政府が自国内のユダヤ人を移住させるための計画として採用しました。また、1933年まで、ドイツ社会党の重要な綱領の一つとして、同党はパンフレットを作ってその問題を宣伝し続け、1940年には、ヒトラーが400万人のユダヤ人をマダガスカル島に移住させるための具体的な計画を立てていたと言われていますが、戦局が困難に陥ったため、2年後に放棄されてしまったとのことです。

 ●十字軍時代以降のパレスチナ地方を20世紀初頭まで400年間支配し続けたオスマン・トルコ帝国を解体したのは、「石油を制するものが世界を制する」ことに目覚めた大英帝国をはじめとする欧米列強であったわけですが、彼らが世界一の石油埋蔵地を確保したいがために、アラブの意向を全く無視した身勝手な中東支配戦略(植民地政策)を開始してしまったことこそが、現在のパレスチナ問題を発生させた最大原因であったと私は見ています。そして、欧米列強は中東戦略をより円滑に進める駒として、ちょうどその頃に台頭してきたジオニスト勢力のシオニズム活動を最大限に“利用”したものと見ています。

 この件について、ユダヤ人イラン・ハルヴィが著書『ユダヤ人の歴史』の中で以下のような興味深い見解を示しています。

「もともと19世紀のヨーロッパには“東方問題”というものがあった。ユダヤ人問題は徐々に東方問題の一部となった。ナポレオン3世の副官であるエルネスト・ラハランは、ヨーロッパにおけるユダヤ人問題を憂慮し、『東方の新しい問題─エジプト及びアラブ帝国=ユダヤ人の再編成』という小冊子を出していた。 (中略)“変革”という高圧的な面を持つ政治的シオニズムと西欧列強は強く結び付いた。既に達成されていた事実と既に進行していたプロセスに基づき、ヨーロッパ各国、特にイギリスは、ユダヤ人を東方に移すことによって、ヨーロッパのユダヤ人問題とヨーロッパにおける東方支配の問題を一挙に解決できると確信したのである。」

 ユダヤ原理派の最終悲願。1、ソロモン第三神殿建設。2、「ユダ家」を筆頭とする2支族と「エフライム家」を筆頭とする失われたイスラエル10支族との再統合。3、メシア(救世主)到来である。4、ハルマゲドン(人類最終戦争)の日、神が全てのユダヤ人を再び一つにまとめる。5、ハルマゲドン後のメシア到来によって本格的な祝福の時代(至福千年王国)へと入っていく

 ユダヤ人たちは2000年間に及ぶ離散生活(ディアスポラ)を余儀なくされ続けたが、第二次世界大戦後の1948年、自分たちの国家、イスラエル共和国が建国されたことによって、自分たちはやっと祝福の時期に入ったのだと認識することとなった。と同時に、近い将来起こるハルマゲドンは、ユダヤ人に対する最後の呪いの時で、そのとき全人類の3分の1、ユダヤ人の4分の3が死滅するということを覚悟している。

 機は既に熟しており、いつメシアが来てもおかしくない。

●イスラエルにある「神殿研究所」では「ソロモン第三神殿の再建予想図」を、コンピュータ・グラフィックなどを使って細部にわたって仕上げている。それは『旧約聖書』や『タルムード』や聖書考古学などの、正確な情報のインプットから生まれたものであるという。この神殿研究所では他に、来たるべき日に用いられる祭司服や神具などの製作を行ない、本格的な準備を進めているのである。

 『旧約聖書』によると、神殿の頂点に立つ大祭司には、“アロン家”の血筋でないとなることができない、と言及されているため、ちゃんとアロン家の子孫のための「祭司養成所」が設立されている。そこでの生徒数は約150人で、そのうちの15人が純粋なアロン家の子孫であるという。

●『旧約聖書』のメシアについての預言は340ヵ所あるが、キリスト教徒は、その全てがイエス・キリストに当てはまると主張している。しかし、ユダヤ教徒は絶対にそれを認めようとはしない。
そもそもユダヤ教徒の厳しい戒律生活(タルムード的生活)の中に、イエス・キリストの教えで構成されている『新約聖書』の入り込める余地はない。そのため、イエスがメシアであるという説は認められない。

 ユダヤ人はイエスを信じないので、もちろんAD(Anno Domini:キリスト紀元)という年号は使用しない。その代わりに、BCE(Before the Common Era:共通1年以前)およびCE(Common Era:共通1年以後)という年号を用いる。このユダヤ暦は西暦に3760年を足したもので、今年(1996年)は5756年になる。 

●ユダヤ人は『新約聖書』を完全に無視するが、「ヨハネの黙示録」だけは特別に信仰している。「ヨハネの黙示録」によれば、終末の日、自らをメシアだと名乗って登場する人物は「反キリスト」で、“獣”“滅びの子”“666”とも呼ばれ、世界動乱の時に愛と分かちあいを訴えて登場し、新生ローマ(国連?)の指導者として華々しい平和的活躍をするという。

 しかしある日突然、 反キリストとしての本性をあらわにし、自分こそがメシアであり神であると世界に宣言し、世界統一政府に君臨し、人類を壊滅的な大戦争に巻き込むという。『旧約聖書』の「ダニエル書」では、反キリストが聖なる場所(ソロモン神殿)に入るとき、人類史上かつてない大艱難が訪れ、その期間が短縮されないならば、人類は一人として生き残れなくなると預言しているという(-_-)。

●ユダヤ人たちは「律法」に生きるとともに、「預言」にも生きてきたわけだが、失われたイスラエル10支族に対する捜索は、単なるロマンではなく、具体的な作業に入っており、多くの学者たちも一般の人達も興味を持って進めているのは、知る人ぞ知る事実である。彼らは世界の多くの国々に対してスポットライトを当てて、厳密な民族調査をしており、風俗習慣や言語、性格などの細かい点にまで関心を払って、失われたイスラエル10支族の謎を説き明かそうと努力している。


た。シオニストは「ユダヤ人の商品だけを買う運動」などをくりひろげた。これはパレスチナ人の商店への襲撃や、そこで品物を買うユダヤ人の嫌がらせなどを導いた。

 ヘルツルが「政治外交路線」や「難民救済博愛路線」を取っていると批判して、ワイツマンの「実践シオニズム」がパレスチナに根を下ろして主流となり、やがてこれはベングリオンの「建国強硬路線」にとってかわられていく。

 ベングリオンの指導のもとに、ユダヤ人の独立国家をつくる基盤は着々と準備された。彼はシオニスト労働党マパイの指導者で、労働総同盟代表、ユダヤ人代表機関議長を経て、やがて初代イスラエル首相になる。このマパイ、労働総同盟に基盤を持つシオニストの主流の潮流が、そののち長くイスラエルを牛耳ることになるのである。

 これに対するもう一つのシオニズムの潮流のことにもふれておきたい。それは修正派シオニストである。これはジャポチンスキーに指導され、ユダヤの武装、パレスチナ人の追放、イギリス人との非妥協、ヨルダン川東西の岸を含む大イスラエル復活などを唱え、やがてベギン首相のイングルや、イツハック・シャミール(1987年の首相)のシュテルンなどの、ユダヤ人テロ組織を生み出していく。

参考文献・広河隆一著「パレスチナ」岩波新書より。

次回は、「キリスト教社会の勝手な都合?」

 フランス革命を契機として、ヨーロッパの各国はユダヤ人を解放したかに見えた。ユダヤ系のキリスト教社会への同化の動きが大きくなった。ナチス台頭前のドイツでは、その様な人々が圧倒的に主流になっていったのである。

 しかし、シオニズムは同化に反対した。ヘルツルは、ヒットラーが権力を握るはるか前に、「反ユダヤ主義者は、我々の最も頼りになる友人」であるとか、「反ユダヤ主義的な国家は、我々の同盟者」であるとか言う発言をしたという。まるで、のちのシオニストとナチス政府の、一時の協力関係を予言するような発言である。

 シオニストとナチス政府の協力の代表的なものは、ユダヤ系の人々の輸送計画「ハヴァラー」であった。ナチスのアイヒマンが捕らえられたとき、こうした詳細が明らかとなり、彼が殺した人より、助けた(つまりドイツ支配地域外に移送した)人の方が圧倒的に多い、と言ったのはこのことだった。このほか、シオニズムの側からユダヤ系住民の名簿をナチスに渡し、一部金持ちのユダヤ系の人だけを助けようとした記録が残っている。

 ところで、ユダヤ系の人々を迫害したのは、ナチスだけに見られた現象ではない。差別の長い歴史を持つヨーロッパの各国は、「ナチスのあと生き残ったユダヤ系の人を自国で引き受けようとはしなかった」

 アメリカのように、収容所のユダヤ系の人の引き受け計画を、同国のユダヤ系住民が反対して潰した例もあった。また自国で引き受けようとしたユダヤ系団体と、それに反対するシオニストが激しく対立したこともあった。そしてほとんどの場合、ヨーロッパの各国は、ナチスが敗れたあとも、口では人道的なことを言っていながら、ユダヤ系住民を邪魔者にし、「追放先」としてパレスチナを考え、そこに国家をつくるシオニズムを支援したのであった。ユダヤ人国家イスラエルは、キリスト教社会にとっても必要な存在だった。


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