4489−14 「300人委員会」考

300人委員会 ジョン・コールマン博士 著 太田龍 監訳  KKベストセラーズ 

 著者のジョン・コールマン博士はイギリスのMI−6に所属していた元諜報部員で、高度な極秘文書に接する機会があり、世界をいいように動かしている「300人委員会」という闇の勢力の存在を知って、その邪悪な陰謀に嫌悪感を抱いてMI−6を去りました。その後、博士は米国に移り、この組織を告発する何冊もの著書を出しています。

博士によれば、世界征服を目指しているとよく噂に上るフリーメーソン、ロスチャイルド財閥、地中海クラブ、日米欧三極委員会、外交問題評議会等は、この「300人委員会」の下部組織に過ぎず、これらの陰謀説は、「300人委員会」の活動の一端を取り上げて騒いでいるとしています。この組織の下部機関で実際に力があるのは、1970に「成長の限界」で環境問題による暗い未来を描いた報告書で世界に衝撃を与えた「ローマクラブ」や、人間の洗脳技術を研究しているタヴィストック人間関係研究所だとしています。これらの機関は、米英両国政府の中枢に食い入り、その政策に大きな影響を与えているようです。

この組織は、両次世界大戦を初めとする過去の大きな戦争や革命、ケネディ元米国大統領やイタリアのモロ元首相などの要人暗殺に関わってきたようです。ケネディ大統領は、この組織に楯突いたために公開処刑され、ニクソン大統領は、この組織の重要な財源である阿片貿易ネットワーク、つまり「フレンチ・コネクション」に手を出した報復として、ウォーターゲート事件を仕組まれて失脚させられたと言います。これらの説は単なる憶測ではなく、著者が独自のネットワークで得た、決して公表されることのない各国諜報機関の機密文書の研究に基づくものですから、説得力があります。

私は、多分にあの9月11日のテロ事件にも裏で糸を引いていると思っています。あの事件の背景は相当大掛かりな組織が関係した、かなり複雑な構図になっているはずで、実行犯の国際テロ・グループは、それと知らずに国際的陰謀に乗せられていた可能性があると私は思っています。テロ事件を引き起こした最終目的は、現在の世界秩序を一度ぶち壊して、この組織の思い通りの新秩序を再編することではないかと思います。

どんな新秩序かと言いますと、この本にもこの組織の最終目的として機密文書に明記してあった事として述べられていますが、要するに世界人類の奴隷化、もしくは家畜化です。つまり、この組織の構成員を中心とする、白人ばかりの特権階級の生活を永久に支えるために、彼ら以外の人類を従順な労働者の地位に固定しょうというわけです。ジョージ・オーウェルの「1984年」や「動物農場」を思い起こさせます。つまり、自由や民主主義の行き着く果ては無秩序であり、結局は世界は混乱のうちに崩壊してしまう。だから、いずれ独裁制の世界統一政府を樹立しないといけないというわけです。

そのために、政治制度や経済を世界規模で統一し、国境を撤廃し、民族自立の思想を圧殺し、既成の宗教さえも廃止するばかりか、婚姻制度や家族制度まで破壊するつもりだと言います。何やらマルクスの「共産党宣言」に書いてあることを思い出します。

「300人委員会」は金、ダイヤモンド、石油、ウランなどの世界中の経済資源を押さえ、阿片貿易を管理し、マスコミをコントロールしています。この世界を、経済と情報を握ることでがんじ絡めにしているわけです。しかし、今や世界人類は数が増え過ぎて62億人にも達し、いろいろな問題が噴出しています。せめて適正な10億人規模に減らそうと、余剰人口、彼らが言うところの「Useless Eater(無駄飯食い)」を大量に始末する計画を練っており、そのための最も有効な手段が、大戦争を引き起こすことです。

この組織は1897年頃に組織されましたが、その淵源は「イギリス東インド会社」に遡ります。この会社は英国のインド植民地統治の尖兵を務め、表向きはインドの紅茶が主要な取り扱い品目でしたが、実際にはインドの阿片を中国へ密輸することで多大な利益を上げていました。当時は清帝国だった中国が阿片を禁輸したために、明治維新の直前の1840年に阿片戦争が勃発して中国は負け、その後香港が英国領となったわけです。

英国はその後、南アフリカの金やダイヤモンドをも掌中に納め、世界の富を握るようになりました。その当時、勢力を伸ばしていたユダヤ系のロスチャイルド財閥が、英国や欧州各国の金融支配を強めていきますが、この辺りの事情は、本連載第2回目の廣瀬隆著「赤い楯」で紹介しています。ともあれ、欧州の政治と金融資本が結びつき、政略結婚を通じて築いた強固な支配階級が、この「300人委員会」の原型のようです。

「300人委員会」のリストにはイギリス、オランダの王族のほか、イギリス、フランス、イタリアなどの王族や貴族が多数含まれますが、米国の会員は非常に少なく、新参者扱いです。米国が世界一強い軍隊を持ち、世界経済を牛耳っているとは言え、やはり長年の富の蓄積があるヨーロッパの支配階級が、黒幕としての実際の力があるようです。

 そう考えると、国際政治に関する私の今までの疑問が腑に落ちる点が多いように思います。例えば、今回のアフガニスタン攻撃でも、10年前の湾岸戦争でも、何故英国はいつも米国と行動を共にするのかという点に、私ずっと疑問を抱いていました。何か裏があるようで、不自然なのです。勿論、米国人の主流の多くが祖先が英国から来ている歴史的事実がすぐに思い浮かぶでしょう。しかし、利害が鋭く対立する冷酷な国際政治の世界では、そういう血の繋がりなどあまり意味はありません。義理や人情の世界とは違うのです。

 これらの戦争では、英国はいつも米国の陰に立っている印象を受けますが、実は英国の方が米国をリードし、後ろから米国の尻を叩いているようです。それと言うのも、「300人委員会」の主要メンバーは英国貴族であり、英国政府はこの組織の意向に忠実であるようだからです。さらに、英国の諜報機関MI−6は、実はCIAより遥かに高い能力と秘密性を有していて、CIAは有名で派手で強面ですが、米国にはもっと規模が大きくて最近までその存在すら秘密にされていたNSCがあります。CIAは、背後の大きな機関の使い走り的存在らしく、その元締め中の元締めが、「300人委員会」というわけです。

「300人委員会」の活動は長期的かつ複雑多岐なもので、あらゆる分野で着々と実績をあげているようで、その一つに世界中の大衆を娯楽や快楽で骨抜きにして、正常な判断力を失わせ、彼らに対して忠実になるように仕向ける計画があるようです。これは、20世紀初頭にベストセラーとなった、ユダヤ人の世界征服の企みを暴露するという趣旨の「シオンの議定書」という本に述べられている3S政策、つまりセックス、スポーツ、スクリーン(映画やテレビなどのメディア)で大衆を骨抜きにするという計画に通じます。

この「シオンの議定書」は偽書と判定されていますが、それでも実際に、現代社会はセックスと麻薬が氾濫し、無価値な芸能界やスポーツ等の話題で私たちはマスコミに情報操作、有り体に言えば洗脳され、この本に述べられた通りの事態が進行しています。世界で何が起きているのか、私たちの生活はどんな影響を受けているのかという問題に多くの人が無関心になり、日常の快適な生活の維持にのみ関心が向いているのではないでしょうか。

これらの状況を見るにつけ、新約聖書のヨハネの黙示録やノストラダムスの予言などの多くの予言書に、今のこの時期に世界の滅亡と人類の大量死が予言されている事実が思い起こされます。これらの予言は荒唐無稽なものであっても、先祖代々聖書を教えられてきている欧米人の潜在意識の中に、今のこの時期に世界は崩壊する、いや崩壊すべきだという考えが刷り込まれている可能性があるのです。予言は成就するものではなく、成就させるべきものだと、彼ら闇の組織の支配者たちが考えているとしたら、恐ろしいことです。

今まで書いてきた事は常識外れで、センセーショナルなものであることは確かです。この著者自身が、実は偽情報に振り回されている可能性もあります。しかし、近年見直されている神話の例からも言えることですが、荒唐無稽な話の中にも、事実を反映した情報が紛れ込んでいるのです。「火のない所に煙は立たない」と言います。世の中で進行している事が、全て偶然に起こっていると思うのは、少しナイーヴに過ぎるようです。    了 

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