「西郷南州翁遺訓」

 (最新見直し2008.2.3日)

 (れんだいこのショートメッセージ)
 佐高信・氏の「西郷隆盛伝説」(角川学芸出版、2007.4.30日初版)を読み、「西郷南州翁遺訓」をサイトアップしておきたくなったので、ここにサイトを設ける。目下書店から取り寄せ中で、入手次第転写することにする。ネット検索で出てこないのは例の著作権に気兼ねしてであろうか。れんだいこは、理論的に克服しているので何の遠慮も無く良書普及に尽力したい。

 2008.2.2日 れんだいこ拝


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【「子孫に美田を残さず」】

 「幾歴辛酸志始堅。丈夫玉砕愧甎全。一家遺事人知否。不為児孫買美田」。

 人の志というものは、幾度も幾度も辛い目に逢うて後始めて堅く定まるものである。玉となってくだけることを本懐とし、志を枉げて瓦となって無事に生きながらえへることを恥じとする。それに就て、自分が家法として子孫に遺しおきたく思う事が一つ有るが、それが何であるかを知って居る人が有るか知らん。子孫の為にといって良い田を買わない事が、それである。


【「命も要らず、名も要らず、官位も金もいらぬ」】
 命も要らず、名も要らず、官位も金もいらぬ人は始末に困るものなり。この始末に困るも人ならでは艱難を共にして国家の大業は成し得られぬなり。

 去れ共、かようの人は、凡俗の眼には見得られぬぞと申さるるに付き、孟子に、「天下の広居に居り、天下の正位に立ち、天下の大道を行ふ、志を得れば民と之に由り、志を得ざれば独り其道を行ふ、富貴も淫(いん)すること能はず、貧賎(ひんせん)も移すこと能はず、威武も屈(くつ)すること能はず」と云ひしは、今仰せられし如きの人物にやと問ひしかば、いかにも其の通り、道に立ちたる人ならでは彼の気象は出ぬ也。

【「己に克つ」】

 :「総じて人は己に克つをもって成り、自ら愛するをもって敗るるぞ」。

 すべての人間は己に克つことによって成功し、己を愛することによって失敗するものである。はじめはよく己を慎んで事を慎重にするから成功もし、名を顕われてくる。ところが成功して有名になるに従っていつのまにか自分を愛する心がおこり、畏れつつしむという精神がゆるんで、おごりたかぶる気分が多くなり、そのなし得た仕事をたのんで何でもできるという過信のもとにまずい仕事をするようになり、ついに失敗するものである。常に自分に打ち克って人が見ていない時も聞いていない時も自分を慎み戒めることが大事なことである。


【「功に碌を、能に位を」】
 「功のあった人には禄を与えて、能力のある人には位を与えよ」

【「毀誉は塵に似たり」】
 「世上(せじょう)の毀誉(きよ)軽きこと塵(ちり)に似たり」

【「至誠天に通ず」】

 「それ天下誠に非ざれば動かず。才に非ざれば冶まらず。誠の至るものその動くや通し」。 

 「節義、廉恥の心を失うようなことがあれば国家を維持することは決してできない。人を相手にせず、天を相手にせよ。天を相手にして、己れを尽し、人を咎(とが)めず、我が誠の足らざるを尋ぬべし。どんな制度や方法を議論してもそれを説く人がりっぱな人でなければ、うまくいかないだろう。立派な人があってはじめて色々な方法は行われるものだから人こそ第一の宝であって、自分がそういう立派な人物になるよう心掛けるのが何より大事なことである」。

 「今の世の中の人は才能や知識だけあれば、どんな事業でも心のままにできるように思っているが、才にまかせてすることはあぶなかしくて見ておられない」。 

 「小人は己を利せんと欲し、君子は民を利せんと欲す。己を利する者は私、 民を利する者は公なり。公なる者は栄え、私なる者は亡ぶ」。


【「敬天公平」】

 「道は天地自然の物にして、人は之を行ふものなれば、天を敬するを目的とす。天は人も我も同一に愛し給ふゆゑ、我を愛する心を以て人を愛する也」。 

 「人に接するに対しては常に公平で、真心を持って接することが良い。公平でなければ人の心をつかむことはできない」。


【「過ちを取り繕うことなかれ」】
 「過ちを改むるに、自ら過ったとさへ思ひ付かば、それにて善し。其事をば棄てて顧みず、直に一歩踏出すべし。過ちを悔しく思い、取繕はんと心配するは、例えば茶碗を割り、その欠けらを集め合せ見るも同じにて、詮(せん)もなきこと也」。 

 「自分を愛すること、即ち自分さえ良ければいいというような心はもっともよくないことである。過ちを改めることの出来ないのも自分のたいしたことのない功績を誇り高ぶるのも自分を愛することからで、決してそういう利己的なことはしてはいけない」。

【「通ぜざるは我が誠の足らずを思え」】
 「己を尽くして人を咎めず 我が誠の足らざるを常にたずぬるべし 我を愛する心を以って人を愛せ 自己を許すが如く人を許せ 人を責めるが如く自己を責めよ」。

【「為すとならば決然と行い、為さざると思わば断然行わぬべし」】

 「道は決して多端なものでない。まことに簡単なものである。ただ白と黒の区別があるだけである。心慮りて白と思えば決然として行う。しばらくも猶予すべからず。心慮りて黒と思えば断然これを行わないことである」。


【「正道を歩み、詭計を避けよ」】
 「どんな大きい事でもまたどんな小さな事でも、いつも正し道をふみ、真心を尽くし、決していつわりのはかりごとえを用いてはならない。人は多くの場合、あることにさしつかえが出来ると何か計略をつかって、そのさしつかえを通せば何とかなったかのように見えるが計略したがための心配がでたりして失敗するものである」。

 「人をごまかして、かげでこそこそ事を企てる者は、たとえその事ができようとも物事を見抜くことが出きる人が見れば、みにくいことこのうえない」。

【「大事には生死を賭けよ」】

 「道を行うものはどうしても困難な苦しいことに会うものだが、どんな難しい苦難に遭遇しても成功するか、失敗するかということや自分が生きるか死ぬかというようなことに少しもこだわってはならない」。



 

 












(私論.私見)

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