場面11 60.6.10日【日共主導によるハガチー闘争】考

 (最新見直し2005.10.9日)

 これより前は「岸内閣が安保強行採決」に記す。

【「ハガチー闘争」】
 この頃日共は、いち早く来日予定のアイク訪日阻止の旗印を鮮明にした。同党の講和後も「日本は半植民地、従属国」規定からする反米独立闘争の重視であった。社会党臨時大会、総評幹事会も抗議闘争に取り組むことを決めた。6.6日、都自連も、もしアイクが来るなら羽田デモを敢行することを決定した。
れんだいこ  但し、この時、ブ ントも革共同も大統領秘書官ハガチー・アイク訪日阻止を取り組んでいない風がありますね。これには政治的見解の相違があるようで、「アイク訪日阻止は、反岸安保闘争の反米闘争への歪曲」としていたようです。恐らくブントは、帝国主義自立論により国内の政治権力に対する闘争=「復活した日本独占資本主義の打倒」を第一義としておりましたので、反米闘争的な動きは邪道視していたのでせうね。

 これに対して日共は、アメリカ帝国主義下の従属国家論により、こうした反米的な闘いこそ眼目となるとしていたようです。このことは、後日の田中清玄のインタビューでも知れることでもありますが、田中氏は次のように的確に指摘しています。
 「共産党は安保闘争を反米闘争にもっていこうと した。全学連の諸君は、これを反安保、反岸という闘争に持っていこうとした。 ここに二つの分かれ目がある訳です」(63.2.26.TBSインタビュー)。

 こうした中6.10日、安保改定阻止第18次統一行動。全学連5000名国会包囲デモ。国民会議が国会周辺で20数万人デモ。この時ハガチー(大統領新聞係り秘書)は、羽田空港で労働者・学生の数万のデモ隊の抗議に出迎えられた。ハガチーの乗った車は、どういうわけか警備側申し入れ通りに動かず、デモ隊の隊列の中に突っ込み「事件」となった。米軍ヘリコプターと警官の救援でやっと羽田を脱出、裏口からアメリカ大使館に入るという珍事態 (「ハガチー事件」)が発生した。

**氏

 「ハガチーの乗った車は、どういうわけか警備側申し入れ通りに動かず」とはどういうことだ?

れんだいこ  さあ、それはれんだいこにも分かりません。
**氏  この「ハガチー事件」は、「60年安保闘争」で見せた日共及び民青同の唯一といって良い戦闘的行動だった。
れんだいこ  ですね。60年安保闘争に関する歴年党員の語りは、もっぱらこの時のことに関連しています。これ以外の面での語りは、日共の指導とは関係なくというか日共の抑圧を押しのけて「大衆的に盛り上がった」当時の雰囲気を共有するデカ ダンスでしかない、といったらお叱りを受けるでしょうか。
**氏  うーーん。
れんだいこ  このハガチー事件に関して、志賀義雄氏が「日本共産党史覚書」で貴重な証言をしております。それ拠れば次の通りです。
 「ハガ−ティ阻止の計画は、私が長谷川浩(当時、党中央委員会青年学生部長)と相談して立案した。当時、ハガ−ティは必ずヘリコプターを使うという予想が広がっていた。現にヘリコプターが空港の建物の前にいた。しかし私は、彼が車で東京へ来るものと判断して、長谷川浩に、弁天橋上の党の精鋭部隊を直接指揮するよう依頼した。---産業道路から弁天橋へかけて、社会党系の労働組合などの部隊が密集して並んでいた。彼らは空港内の情勢を聞くに連れ、中へ入ることを希望した。橋上の共産党の部隊は道を開け、彼らは空港内へと移動した。その移動部隊へハガ−ティを同乗させた大使の車が強引に突っ込んだのが、この有名な事件の発端である」。
**氏  ふーーん。
れんだいこ  日共をスターリニズム批判一辺倒するばかりの方には分かりにくいと思いますが、少し説明しておきます。これが事実とすれば、ハガチー事件は、志賀派と徳球系生き残りの最高幹部・長谷川浩ブロックが演出企画したということになります。つまり、当時の最高指導部を構成していた宮顕―袴田―野坂らの預かり知らぬところで、旧徳球系が止むに止まれず闘ったという構図ですね。決して宮顕の指導の賜物ではないということです。
**氏  そうか。
れんだいこ  もう一つ付け加えておかねばなりません。この時の日共系戦闘的学生部隊の主力は、志賀派と徳球系生き残りの最高幹部・長谷川浩ブロック、加えてこの後の構造改革派分離騒動の過程で党から飛び出していくことになる構造改革派系、もう一つ社青同や毛沢東派の源流になる部分でありました。ということは、それらの部分を全て排除した現在の日共党員達は、この「ハガチー事件」とも無縁な系譜であるということになります。つまり、正真正銘闘ったことが無いというか、それを抑圧した者達ばかりであるということになります。
**氏  ふううむ。

 これより後は「全学連の国会突入、樺美智子死亡考」に記す。





(私論.私見)